高速道路の深夜割引は、2026年度以降に見直し(変更)が行われる予定です。割引時間や適用条件が変わり、「改悪」との評価も見られます。本記事では、見直しによる変更点(仕組み)や背景を分かりやすく解説しています。
高速道路の深夜割引はどう変わる?
ETCによる高速道路の深夜割引は、2026年度以降の見直しで以下のように変わります。
・時間:22時~5時に「拡大」
・範囲:22時~5時に「走行した分のみ」
・割引率:原則「約30%」、22時台の流出は「約20%」
・走行距離:1時間あたりの「上限」設定
・割引方法:「後日還元型」に変更
割引時間が拡大される一方、適用範囲は該当時間の走行分のみに限定され、利用方法によっては現在よりも負担が増える可能性があります。
また、割引を受けるのに「ETCマイレージサービス」への登録が必要な点も注意しましょう。
深夜割引5つの変更点を詳しく解説
ここでは、冒頭で説明した変更点について、それぞれ現行制度からどう変わるのか、具体例も示して解説します。
▽変更(1)時間は「22時~5時」に拡大
深夜割引の時間は、現行制度の「0時~4時」の4時間から「22時~翌5時」の7時間に拡大されます。
この拡大で特に恩恵を受けやすいのは、高速道路の利用が1~2時間程度に限られるケースです。これまでは「0時を過ぎてから出口を通過」「朝4時までに入口を通過」しないと割引を受けられませんでした。見直し後は時間に少しゆとりを持って高速道路を利用できます。
▽変更(2)対象は「割引時間帯の走行分のみ」に
現行制度では、0時~4時の間に対象道路を利用すれば全走行分が割引されますが、見直し後は「22時~5時の間の走行距離分のみ」が割引対象となります。
たとえば、以下のケースで考えましょう。
・ケースA:20時に入口通過 → 0時1分に出口通過
・ケースB:3時59分に入口通過 → 7時に出口通過
・ケースC:20時に入口通過 → 6時に出口通過
現行制度では、A~Cは時間に関係なく高速道路の利用1回分(全走行分)が深夜割引の対象です。これに対して、見直し後はAで22時~0時1分、Bで3時59分~5時、Cで22時~5時の走行分のみが割引対象となります。
長距離移動で最大限の割引を受けるには、真夜中に移動する必要があります。
【1000kmを超える分は「緩和措置」あり】
今回の見直しでは、運送業者など長距離利用における料金負担が増大しないよう、運用開始後5年程度は1000kmを超える部分への割引が激変緩和措置として適用されます。また、利用距離に応じて通行料金を逓減する「長距離逓減制」の対象も拡充されます。
▽変更(3)22時台流出だと「割引率約20%」
深夜割引の基本的な割引率は、現行制度と見直し後で変わらず「約30%」です。
しかし、見直し後に関して、22時台に高速道路を降りた場合は割引率が「約20%」となります。
▽変更(4)走行距離に「上限」を設定
現行制度には、割引における走行距離の上限がありませんが、見直し後は時間あたりの上限が設けられます。基本ルールは以下の通りです。
・軽自動車等、普通車、中型車、乗合型自動車:利用時間1時間あたり105km
・大型車、特大車(乗合型自動車以外):利用時間1時間あたり90km
上限距離を超えた分は、割引が適用されません。また、利用時間が4時間を超える場合は30分の休憩相当分が上限距離から除外されます。
※4時間を超える時間が30分未満の場合は、4時間を超える時間分を休憩時間として除外
【上限設定は「安全な環境確保」のため】
見直し後のルールでは、は22時~5時に走行した分しか割引が適用されないため、「時間内にできるだけ距離を稼ごう」と考える人が出てくる懸念があります。そこで、スピード違反や無理な運転に伴う事故を抑止するため、上限が設定されました。
▽変更⑤割引方法は「後日還元型」に
現行制度では、深夜割引は即時適用(出口料金所で割引後の料金が課金)されますが、見直し後は利用の翌月に割引適用分が還元されます。
個人が深夜割引の還元を受けるには、「ETCマイレージサービス」の登録が必要です(ETCコーポレートカード所持者を除く)。マイレージサービスに登録すると、利用の翌月20日に割引額が付与され、次回以降の高速料金の支払いに充当されます。