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砂の中からアサリやハマグリ バケツ一杯採取した家族は密猟者扱い! レジャー感覚でも現行犯逮捕のリスク【弁護士が解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

30代の会社員Aさんは、家族で海へ遊びに来ていました。たまたま見つけた静かな砂浜で波打ち際を歩いていると、砂の中から立派なアサリやハマグリが次々と見つかります。「これだけたくさんあるなら、今日の夕食の足しにしよう」と考え、子どもたちと大はしゃぎしながらバケツいっぱいに貝を採り、持ち帰ろうとしました。

そのとき、地元の漁協関係者がAさんを呼び止め「ここは共同漁業権がある場所だから、一般の人が勝手に採ってはダメだ」と、厳しい口調で注意されてしまいます。Aさんはこれに対して、申し訳ないことをしたと思いつつも「それならもっと分かりやすく潮干狩り禁止と書いておいてよ」と不満も抱きました。

では、もしもAさんが漁協関係者に止められなかった場合、どのような法的リスクがあったのでしょうか。まこと法律事務所の北村真一さんに聞きました。

漁業権がない場所でもルールは存在する

ー「レジャーのつもり」でも密漁で逮捕される可能性はありますか?

実際に摘発された事例はあります。過去には、自家消費やバーベキューのためにハマグリやアサリなどを採った一般人が、海上保安部や警察によって検挙された事例が数多く報告されています。

「少し食べるだけ」「みんなやっている」といった軽い気持ちであっても、法律違反であることに変わりはありません。現地を巡回している漁協関係者や取締官は、資源を守るために厳しい目で見回っています。悪質とみなされたり、警告を無視して採り続けたりすれば、レジャーのつもりでも現行犯逮捕されるリスクは十分にあります。

ー密漁に対する罰金や罰則はどのくらい重いのでしょうか

密漁への対策として、2020年に漁業法が改正され、罰則が大幅に強化されました。まず、アサリやハマグリ、サザエなどの「共同漁業権」の対象となっている貝類を勝手に採ると「漁業権侵害罪」に問われ、100万円以下の罰金が科されます。以前の20万円以下から大幅に引き上げられました。

さらに、悪質な密漁が相次ぐアワビやナマコなどの「特定水産動植物」を密漁した場合、個人に対する罰金としては最高額となる「3年以下の拘禁刑、または3000万円以下の罰金」という極めて重い罪が科されます。軽い気持ちで行った行為が、家庭を破滅させる恐れがあるのです。

楽しいはずの家族との海遊びが一生の後悔とならないように、出かける前には必ず現地のルールを確認し、節度を持って海を楽しむ姿勢が求められます。

ー漁業権がない場所ならどんな貝でも採って良いのでしょうか?

いいえ、決してそうではありません。第一に、アワビやナマコなどの「特定水産動植物」は、漁業権の有無にかかわらず許可なしでの採捕が全国一律で禁止されています。

また、漁業権が設定されていない場所であっても、各都道府県が定める「漁業調整規則」によってルールが設けられています。一般の人が使ってはいけない道具(じょれん等)や、採ってはいけないサイズ(2センチメートル以下の稚貝など)が細かく定められており、これに違反すると罰せられます。

◆北村真一(きたむら・しんいち) 弁護士
「きたべん」の愛称で大阪府茨木市で知らない人がいないという声もあがる大人気ローカル弁護士。猫探しからM&Aまで幅広く取り扱う。

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