テレビ番組やCM、映画、イベントの制作現場で欠かせない存在が「ロケ弁」です。撮影現場を食の力で支えるロケ弁と弁当店を表彰する「第3回 日本ロケ弁大賞」の授賞式が、6月10日の「ロケ弁の日」に東京都内で開催されました。主催する株式会社くるめしは、映像・テレビ制作やイベントなど各種制作現場向けに、宅配弁当の検索・注文サービス「くるめし弁当」を運営しており、約950店舗・2万1000種類の弁当を掲載しています。
ロケ弁の頂点に選ばれたのは972円のサーモン弁当
今回のロケ弁大賞では、ロケ弁利用者によるインターネット投票をもとに296種類から10候補を選出。広告業界やテレビ業界などから選ばれた4人の審査委員が実際に試食し、大賞1商品、金賞9商品、業界賞3商品を決定しました。
大賞に選ばれたのは、SOMY’S DELI(ソミーズデリ)の「8種野菜のザクザクゴマ醤油サーモン弁当(税込972円)」。SOMY’S DELIを運営する澤井一隆氏は、「ロケ弁専門店として作った会社で、このような賞をいただくことができ、誠にありがとうございます。非常に光栄です。コロナに始まり、最近では米や原材料の価格高騰など、私たちの会社を苦しめていることは事実です。それでも続けてこられたのは、このロケ弁大賞にノミネートされることが本当に励みになっていたからです」と、弁当業界を取り巻く厳しい環境についても語りました。
実は同商品は第1回、第2回で金賞を受賞し、3回目で初の大賞となりました。価格も第1回の864円から、第2回の888円、今回の972円へと上昇していますが、物価高騰が続く中でも1000円以下を維持しています。
審査委員長を務めたCMディレクターの中島信也氏は、「1000円を切っている価格でありながら、健康を考えた野菜もたくさん入っています。そうした思いが非常に高いレベルでバランスされている。それが大賞に選ばれた理由だと思います」と評価しました。過去2回の大賞を見ると、第1回はオーベルジーヌの「ビーフカレー」、第2回は喜山飯店の「お弁当A」が受賞しています。
現場は電子レンジなどの加熱設備が十分でなく…
ロケ弁には、一般的な弁当とは異なる評価基準があります。株式会社くるめしの代表取締役・小林篤昌氏によると、もっとも重要なのは「冷めてもおいしいこと」だといいます。撮影現場では、電子レンジなどの加熱設備が十分に用意できないケースが多く、弁当は冷えた状態で食べることがほとんどです。そのため、冷めても味が落ちない弁当が、現場での評価を左右します。
また、業界によって好まれる傾向も異なります。カメラマンや技術スタッフなど体力を使う職種では、ヘルシーさよりもボリュームや高カロリーを重視する傾向があります。一方で近年は、多様な食文化への対応も進み、魚料理や肉料理の選択肢を増やしたり、ハラルやヴィーガン対応メニューを用意したりする店舗も増えているそうです。
ロケ弁の価格帯は500円~4000円まで幅広く、中央値は1000~1500円。ただし、制作費の厳しいテレビ業界では、スタッフ向け弁当の予算が削減されるケースもあるといいます。
ロケ弁は一般の人でも購入できる
ロケ弁というと業界関係者だけのものと思われがちですが、一般の人でも購入できる商品も少なくありません。今回受賞した弁当の多くは、「くるめし弁当」でも注文可能です。また、実店舗があるところは販売も行っています。大賞を受賞したSOMY’S DELIも東京都葛飾区立石に店舗を構えており、一般客でも購入できます。
なお、今回の日本ロケ弁大賞は、「くるめし弁当」に掲載されている商品のみを対象にしたものではありません。ロケ現場で実際に食べられているロケ弁全体で投票が行われ、その中から受賞作が選ばれています。主催者が掲げる「良い仕事の裏には良いロケ弁がある」という言葉が、このアワードの意義を端的に表しています。
▽日本ロケ弁大賞
https://rokebenaward.com/