1980年代に「劇男一世風靡」のメンバーとして芸能界デビューして以降、その明るく親しみやすいキャラクターで人気を博し、テレビのバラエティ番組を中心に今なお第一線で活躍を続ける勝俣州和さん。いつもハーフパンツを履いて声を張り上げ、元気いっぱいなイメージが強いですが、そんな勝俣さんも今年で61歳。「いつ転んでもおかしくない」と駅の階段などでは必ず手すりを使うそうです。「終活はもう始まっている」と語る勝俣さんに、その真意を聞いてみました。
老化にちゃんと向き合いたい
「うちのお袋、僕の30歳くらい上なんですけど、ある時『階段で転んで顔が腫れた』と言うので、当時まだ幼稚園児だった娘を連れて見舞いに行ったんですよ。そしたらコブが顔より大きくて! そんなの見たことないから、びっくりしてさ。でも人間って年を取ったら簡単に転ぶんですよね。僕も毎日走ってるけど、体力はどんどん落ちていくし、おしっこは真っ黄色だし、物忘れも激しいしで、何なんだこれは!? と思いますよ」
「だからうちの奥さんともよく話すんです。『老化にちゃんと向き合っていかないとね』って。年々ひどくなる物忘れも、できることなら笑える失敗として受け止めていきたいじゃないですか。みんなで助け合って生きていく、そのために家族や仲間がいる。僕にとっての『終活』は、普段から周りの人たちへの感謝を忘れずに生きること。そうすれば、年を取って大変になった時にも、きっと誰かが助けてくれると思うんです」
日本を代表する大女優と共演
勝俣さんは終活をめぐる悲喜劇を描いた人気映画シリーズ第3作「お終活3 幸春!人生メモリーズ」(全国公開中)に、前作に引き続きタクシー運転手の役で出演。認知症を患う加藤豊子(三田佳子さん)と、印象的なやり取りを繰り広げています。
「終活の映画って聞くと、みんな真面目に見ちゃうじゃない? でも僕が出たところでドンと笑いが起きて、あ、笑っていいんだと気づく。香月(秀之)監督は僕をキャスティングして遊んでるんだと思うんですけど、まあ、“ほぐし”みたいな役回りですね(笑)」
61歳、もう頑張らなくてもいい
そんな勝俣さんは昨年、還暦を迎えた時にひとつ、「間違えてた!」と思ったことがあったそうです。
「毎年何か新しいことに挑戦して、成長して、人生が右肩上がりになるように頑張る人が、特に芸能界には多いじゃないですか。それまでは僕もそうだったんだけど、『別に頑張らなくても、やり残したことがたくさんあるまま死んでもいいじゃないか』という風に考え方を切り替えたんです。だって…疲れちゃうじゃん(笑)。誰かと競い合うために、無理な努力を重ねることはもういいかな。できないことはできないままでいい。もう、山の頂上に登りたいとは思わなくなりました」
「前に島田洋七さんと話していたら、B&Bが漫才で頂点を取った時、やっぱり面白くなかったんだって。で、ピークを過ぎて人気が落ちてくると、むしろそっちの方が楽しかったんだって。僕も20代の頃、3年くらい休みがなくて、血の小便を出しながら仕事をしていた時期もありましたが、今はひとつひとつの仕事の“質”を磨こうと思っています」
今、長女は21歳で、長男は16歳。2人が小さい頃は何よりも家庭を優先してきたという勝俣さんですが、子供たちが独り立ちした後のビジョンについても聞いてみました。
「夫婦でいろんなところを旅したい。そして、ずっと2人で喋っていたいなあ。理想的なのは、80歳くらいになって、日向ぼっこしながら2人でお茶を飲んでゲラゲラ笑って、そのまま寝ちゃう…みたいな。そんな穏やかな日々を過ごせたら最高ですよね」
「お就活3 幸春!人生メモリーズ」は全国の映画館で公開中。
【公式サイト】https://oshu-katsu.com/3/