さい銭やお布施など宗教行為へのキャッシュレス決済導入に反対していた京都仏教会(事務局・京都市上京区)が、宗教法人専用のキャッシュレス決済システム「おまいりPay」を民間会社と共同で開発した。同会加盟寺院だけではなく、全国の社寺に利用を呼びかけるという。
同会は、信者の個人情報などが第三者に知られて信教の自由が損なわれる恐れがある▽民間事業者に手数料を支払うことで将来的に課税が発生する可能性がある―などを理由に、社寺などの宗教施設がキャッシュレス決済を導入することに反対する声明を2019年に出した。24年にも表現を改めて声明を出した。
今回、同会とともに開発したのはスーパーなどに決済システムを提供するバリューデザイン(東京都)。おまいりPayの入った決済端末機を通して、クレジットカードや電子マネーで支払うと、利用明細書の支払先は「おまいりPay」と表記される。お布施をどの社寺に納めたのかという情報は運営を担う同社にとどまる仕組みになっていて、信教の自由を守ることができるという。
課税については、「民間事業者の関与を理由に公益法人課税を発動する法的根拠は存在しない」という結論に至ったとしている。
同会には約1100カ寺が加盟しており、永観堂(禅林寺、左京区)は4月1日から、授与品の支払いにおまいりPayを介したキャッシュレス決済を導入している。今後、銀閣寺(慈照寺、左京区)や金閣寺(鹿苑寺、北区)でも導入される予定。7月以降は拝観料の支払いにも使われる。いずれは墓の管理料など、全ての決済への導入を目指す。
同会の佐分(さぶり)宗順常務理事は「われわれの趣旨に基づいたキャッシュレス決済ができてうれしい。多くの皆さまに安心して採用してもらえるようになれば」、長澤香静事務局長は「信教の自由を守るのを一番に(考えて)開発した」と話した。