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雑談配信で得た投げ銭 システム手数料を引いても年間利益20万円超に 視聴者からの贈り物だから贈与税の対象ですよね?【税理士が解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

都内のメーカーに勤める30代のAさんは、週に数回の雑談配信が人気を呼び、視聴者から「応援してるよ!」と多くの投げ銭をもらうようになりました。そして気がつけば、年間の収益はシステム手数料を差し引いても20万円を超えることに。

この収入に対してAさんは「これはファンからの個人的な贈り物だから、贈与税の対象になるはず。年間110万円以下なら非課税だし、確定申告は必要ないよね」と軽く考えていました。しかしある日、SNSで「配信の収益を放置して税務調査が入った」という投稿を目にし、急に不安に襲われます。

ライブ配信の収益は本当に贈与税として考えて大丈夫なのでしょうか。正木税理士事務所の正木由紀さんに話を聞きました。

投げ銭は「プレゼント」ではなく「所得」

ー視聴者から善意でもらう投げ銭は、贈与と所得のどちらに該当しますか?

ほとんどのケースで「所得(雑所得または事業所得)」とみなされます。Aさんは「個人的な贈り物(贈与)」と考えていますが、不特定多数の視聴者から配信という対価に対して支払われる投げ銭は、税務上はサービスの対価としての性質が強いと判断されます。

「応援したい」という視聴者の気持ちはあっても、それを受け取る側にとっては継続的な経済活動によって得た収入です。贈与税の基礎控除110万円が適用されることはまずなく、所得税の対象になると考えるのが自然です。

ー会社員が配信で稼いだ際、確定申告が必要になる基準を教えてください。

会社員などの給与所得者の場合、本業以外の副業所得が「年間20万円」を超えると確定申告の義務が生じます。

ここで注意したいのは「売上」ではなく「所得」で判断する点です。所得とは、売上から必要経費を差し引いた金額のことです。Aさんのように手取りで20万円を超えている場合は、ほぼ間違いなく申告が必要になるでしょう。

ー配信用の機材や衣装などは「経費」として認められますか?

配信のために直接必要となった支出は経費にできます。例えば、ウェブカメラやマイク、配信専用のライト、ゲーム実況ならそのソフト代などが該当します。また、配信で着用する専用の衣装や、配信部屋の家賃・電気代の一部を「家事按分」として計上できる場合もあります。

ただし、プライベートでも使うスマホの通信費や、普段着としても着る服などは全額経費にするのは難しいです。「配信にどれだけ貢献しているか」を客観的に説明できる証拠(領収書や利用記録)を残しておくことが大切です。

ー申告しなかった場合、どのようなリスクがありますか?

意図的な隠蔽と判断されれば、重加算税や延滞税といった重いペナルティが加算され、本来の税額よりはるかに高い金額を支払うことになります。

実際に、確定申告をしていなかったあるユーチューバーが税務調査を受け、過去数年分の無申告を指摘されて約700万円の追徴課税を課されたという事例も報じられています。

「少しくらい大丈夫だろう」という油断が、せっかくの楽しい配信活動を台無しにしてしまうのです。20万円を超えたら、迷わず期限内に正しく申告することをおすすめします。

◆正木由紀(まさき・ゆき)/税理士
10年以上の税理士事務所勤務を経て令和5年1月に独立。これまで数多くの法人・個人の税務を担当。現在は、社労士や司法書士ともチームを組み、「クライアントの生活をより充実したものに」をモットーに活動している。私生活では2児の母として子育てに奮闘中。

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