麻疹(はしか)は「死の病」
日本感染症学会のHPによると、「麻疹(はしか)」の麻しんウイルス(Measles virus)は、現存するすべての感染症のなかでも最強クラスの感染力を持つという。
どんなに広い場所でも空間を共有すれば感染する可能性があり、咳やくしゃみによる飛沫だけでなく、空気感染(飛沫核感染)もするため、換気が悪い室内では感染者がいなくなった後もウイルスが漂い、感染リスクが続く。
「まず基本として認識しておいてほしいのが、麻疹(はしか)は『死の病』であるということです。麻疹(はしか)の致死率は先進国においても0.1~0.3%とされています。これは決して低い値ではなく、医療の発達した地域で懸命に治療を行ってもなお、1000人に1~3人は命を落としてしまうということです。医療の発達していない昔の時代、麻疹は『命定め』と呼ばれていました。麻疹の感染力があまりにも強く、子どもの頃に全員が一度は感染しそのうち一定数が亡くなる……神による命の選別と考えられていたことによるものです。
麻疹は一般的な風邪とは全く異なり、放置すれば死に至ることも十分考えられる危険な感染症です。しかも、現在も治療法がなく、症状に対する治療を行う以外は為す術がありません。まず感染しないことが何よりも重要なのです。医療関係者だけでなく、全ての人が麻疹という感染症の恐ろしさを改めて認識し、予防行動に繋げていくことが大切です」(グァバちゃんさん)
再び「麻疹」が日本に定着しないように
では、麻疹を予防するために、私たちはどんな対策を取ればいいのだろうか?
「麻疹に有効な予防方法は『ワクチン接種』です。現在の日本では、風疹ワクチンとの混合ワクチンである『MRワクチン』が主流です。1~2歳の間に1回目、5~7歳の間に2回目の、合計2回が定期接種となっています。お子様が1歳になったらなるべく早く1回目、そして小学校入学前に2回目、定期接種を必ず受けさせてください。
また、30~40代以上の大人の方は、麻疹ワクチンの接種を受けていない、あるいは1回しか受けていない場合があります。母子手帳などからご自身の接種歴を確認し、2回接種を受けていない場合は追加接種を早めに受けましょう(最寄りの医療機関に相談してください)。
麻疹の流行を抑止するには、麻疹ワクチンの2回接種率95%以上が必要です。ところが、最近は2回の接種率がこの95%を下回る地域が出てきており、このまま低下が続くと再び麻疹が日本に定着してしまいかねません。お子様のいるご家庭はMRワクチンの接種を忘れずに受けさせましょう。
自分がワクチン接種を受けたかどうかわからない人は、医療機関で抗体検査を受け、十分な免疫があるかどうかを確認できます。十分な免疫が無い場合はワクチン接種を受けましょう」(グァバちゃんさん)