カナダの小学校で起こった日本式お弁当に起因するいじめ問題がSNS上で大きな注目を集めている。
「日本式お弁当いじめ遂にきたー。来てから約2年、毎日4人分のお弁当作ってるのですが、ついに日本のかわいいお弁当を『気持ち悪い』とか『変なの』とか小学校で言われるように…次女は教室でお弁当を開くのが怖いのか毎日食べずに残してくるように。あるあるとして聞いていたもののウチもか…」
と紹介したのは39歳でカナダ移住した4児の母で元人事部長、現保育士のえび子さん(@SACANA_family)。
さまざまな食材を用い栄養にも見た目にも気をつかったえび子さんのお弁当。しかし日本人ならではのお弁当に込めたこだわりと愛情が、現地の子どもたちには奇異に映ったようだ。
投稿に対し、SNSユーザーたちからは
「日本食は最近人気だし、スゴく美味しそうなお弁当だから意地悪してる子は本当は羨ましいんじゃないですかね?こっちのお弁当ってサンドイッチとリンゴとか質素だし。ウチも15年前に同じことがあってお弁当はやめてサンドイッチしか持っていかなくなりました。最近は差別も少なくなったんだろうなと勝手に思ってましたが…まだあるんですね」※在米日本人ユーザー
「在豪です。娘が一年生くらいの時に、赤いウインナーでタコさんとカニさんを作ったのですが、娘に『友達に気持ち悪いって言われたからもうタコさんウインナー入れないで』って言われました。それからはサンドウィッチとかおにぎりとかシンプルランチにしました」
「先生が『人んちの食べ物に文句言わない!』って子どもたちに言わないと…」
など同情、共感のコメントが寄せられる一方、少数ながら
「まあ日本でインド人が昼食にカレーとナン持ってきたらバカにされるやろうし、小学生ならなおのこと。気持ちはわかるけどお子さんのためにも郷に入った方が良い気が…子どもの心の傷はいつまでも残るからな」
などお弁当の内容の改善を求める声も。
えび子さんにお話を聞いた。
ーーお嬢さんはどんなお子さんですか?
えび子:娘は小学3年生で、外ではとてもシャイでおとなしいタイプです。ただし、家庭ではとても強い意見を言える、兄弟の中でもリーダー的な存在です。
ーーお嬢さんの学校はどんな人種構成でしょうか?
えび子:現在通っている学校は多国籍な環境で、さまざまな文化背景を持つ子どもたちが在籍しています。白人だけではなく、アジア各国、メキシコ、中東など多くの国からの移民が混在しています。中国系が多いですが、約90%の子がカナダで生まれ育っている印象です。
ーー今回の出来事を聞いてどう思われましたか?
えび子:お弁当に対して「変だ」といった言葉をかけられたことがあり、最初は戸惑いもあったようです。初めて言われた日は、迎えに行くとポロポロと涙を流して何も話せませんでした。相当つらかったようでした。
ただ、強い継続的ないじめというよりは、文化の違いからくる率直な反応だったと受け止めています。娘自身も次第に「いろんな感じ方がある」と理解し始めています。
ーーなにか対策される予定は?
えび子:特別な対策を講じたというよりは、家庭内で「違いをどう受け止めるか」について話す機会になりました。今後も周囲に合わせすぎるのではなく、本人の気持ちを大切にしながらバランスを取っていきたいと考えています。
ーーご投稿に対し大きな反響がありました。
えび子:非常に大きな反響に驚いています。同時に、「普通とは何か」「文化の違いとどう向き合うか」といったテーマに多くの関心があることを実感しました。
◇ ◇
えび子さんのお嬢さんは「ママのお弁当が好きだから、このままでいい」と言っており、えび子さんもそれを尊重し当面お弁当の内容を大きく変える予定はないそうだ。
周囲に迷惑を与えることであれば「郷に入っては郷に従え」も理解できるが、お弁当という極めて個人的なことにまでそれを当てはめるのは少々暴力的すぎると言えるだろう。今回の出来事がえび子さんのお嬢さんにも、いじめをする子どもたちにも学びとなることを期待したい。
なおえび子さんは現在、Xで海外での子育てや教育について積極的に発信している。柔らかなタッチながら気づきのある情報ばかりなので、ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。
【えび子さん関連情報】
▽Xアカウント
https://x.com/SACANA_family