徳永こいのぼり(岡山県和気町藤野)はコイ以外の魚介類をあしらったオリジナル商品「立体魚のぼり」の強化に乗り出した。端午の節句を控えた3、4月に製造販売が集中する季節商品一辺倒から脱却し、一年を通して受注が見込めるイベント向けや広告商材を充実させ、事業の柱に育てる狙い。
力を入れるのは、のぼり水族館シリーズ。主力のこいのぼりとほぼ同じ形状で、5年前からウナギやアユなど5種類の絵柄を展開してきた。3月から水彩画データを活用しカニやカレイ、ヒラメといった20種類を追加。これまでアユの釣り場などから定期的に注文があったというが、風で“泳ぐ”特長を生かした装飾やイベント演出として、新たにスーパーや鮮魚店、すし店のほか、水族館や観光地へ売り込む。
耐久性の高いポリエステル生地で長さは1・5~2メートル。インクジェットプリンターで印刷し、少量生産にも対応する。価格は各9100円。室内展示の際に立体感を出せるエアー袋や屋外掲出用のポールは別売りとなる。
こいのぼりの立体縫製は難しく、風を受けても形を崩さず美しく泳がせるには高いノウハウを要する。このため、同社は競争力のある広告商材になると判断。近年、プロ野球の広島カープや福岡ソフトバンクホークスからイベント向け商品の特注が増えていることも品ぞろえ強化の背景にあるといい、自由な絵柄や10メートル超の大型品が受注できると利点を話す。
同社のこいのぼり生産量は少子化や住環境の変化を受け、ピーク時の年間300万匹から70万匹まで減少。イベントや広告商材を新たな事業の柱に位置づけ、数年後には関連事業の売上高を現在の約3倍となる5千万円へ引き上げる計画。
永宗洋専務は「吹き流しや家紋、名前の印刷の技術を使い、企業名や商品の発信ツールを作ることもできる。さまざまな企業と協業できる商品としてアピールしていく」と話す。
徳永こいのぼりは1947年創業、74年設立、資本金2100万円、売上高4億円(2025年7月期)、従業員約35人。