京都府宇治市など京都府南部3市3町のごみ処理を担う城南衛生管理組合は、家庭の生ごみを微生物の力で分解する処理容器「キエーロ」に着目し、本年度から普及に力を入れている。安価で簡単に自作できることから、ごみ削減の意識を高める狙いで、管内の住民に活用を呼びかけている。
キエーロは、神奈川県葉山町の住民が考案した。衣装ケースなどの容器に黒土を入れ、穴を掘って生ごみを埋めると、土の中のバクテリアが分解する。夏場なら5日、冬場だと2~3週間ほどで生ごみがなくなるという。
においが出ない、電力がいらない、虫が発生しないといった特徴がある。また、生ごみを堆肥にするコンポストとは異なり、堆肥の処分に困らない。
普及活動を始めたきっかけは昨年3月、学識者や住民などでつくる循環型社会推進会議が同組合へ出した提言。「将来世代に負担を残さないためにさらなるごみの減量が必要」と訴える内容だった。組合側は、管内で排出される可燃ごみの約4割を占める生ごみを少しでも減らす手段として、全国の自治体で注目されつつあるキエーロの活用を思いついた。
「生ごみが消える」という触れ込みで、ホームページや交流サイト(SNS)、展示、子ども向けの教室などで仕組みを積極的に発信。住民からは「思ったより、簡単にできた」などと反応が良いという。
組合は「ごみの量をもっと減らすことができれば、焼却処理による環境への影響や処理費用の低減につなげられる」(広報協働課)と強調する。
現在、組合本庁舎(宇治市宇治)の環境ふれあいひろばで開催中の企画展「捨てない暮らし」でキエーロの現物を展示している。休館日は月曜(祝日の場合はその翌日)。企画展の最終日となる3月29日には、キエーロ発祥の葉山町でごみ行政を担当した元町職員、服部雄一郎さんのトークショーを開く。午後1時~2時。無料。