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「学校やだやだああああ」と泣きながら全力で拒否した息子 どうすれば…親子の葛藤の日々を描いた漫画が話題

海川 まこと 海川 まこと

現代の日本では、学校のクラスに1人は不登校だと言われています。だからこそ、当事者の声は心の支えになるのかもしれません。X(旧Twitter)に投稿された漫画家・花森はなさんの作品『息子が学校に行けなくなりました。』の第1話から続くエピソードには、作者と学校に行きたがらない息子の日々が描かれています。

作者の息子は、小学3年生の3学期ごろから気付けば学校に行けなくなってしまいました。作者は息子を学校に行かせようと仕方なく引きずるも、息子は「学校やだやだああああ」と泣きながら全力で拒否します。

作者がその理由を問うも、息子はいじめに遭っているわけではないと話します。そのうえ息子は、教室に入ってしまうと普通に過ごし、帰りも「楽しかった!」といいながら帰ってくるのです。そんなある日、息子は「実はな先生がこわいねん」と語りはじめました。

息子が怖がる担任のM川先生は、ものすごく強い口調で児童を叱る先生で、息子によると「壁に押し付けられてる子もおった」そうです。作者にとってM川先生は悪い印象ではなかったのですが、そのことを知り「モンスターペアレントのような行動かもしれない」と思いつつ、来年度から担任を外してくれないかと相談しました。

その後、春休み中にこの問題を解決しようと思い児童メンタルクリニックを受診します。作者は以前、精神科を受診すると「あなたのは病気じゃない」と追い出されたことがあり、受診はかなり慎重になっていました。

念入りにリサーチして受診したクリニックは、先生も話しやすい雰囲気で、めずらしく息子自ら話し出します。先生からは、不安を取り除く薬とパニックを抑える頓服が処方されました。作者は「お薬を飲めばよくなる」と思ってましたが、始業式当日、息子は「学校いやああ薬もやだああ」と絶叫して拒否します。

作者は、息子に30分かけてなんとか薬を飲ませ、下の子を登園させたあとで息子を引きずって登校させます。地域の人からは「無理矢理行かせちゃかわいそう」と言われるものの、それでも学校に行くと息子は「楽しかったー!」と言って帰ってくるのです。

M川先生は担任ではなくなりましたが、息子は未だにM川先生を見るたびに怯え怖がります。実は、息子はM川先生に直接怒られたことはありません。しかしM川先生に怒られる生徒の様子を見て、まるで自分が怒られているように感じとってしまっていたのです。

5月ごろになると、作者は教室まで付き添うようになります。息子は廊下でも泣きわめくようになり、授業をだんだんと受けられなくなってしまいました。

薬を飲んでも状況が変わらないことから、精神科の先生から「転院しましょう」と勧められます。煩雑な手続きを経て、作者と息子はようやく児童精神専門の病院へと受診しました。先生からは、M川先生への恐怖心から一時的に心が退行する「幼児返りでは?」と言われ、新たな薬を処方されます。

しかし息子の様子は悪化し、午前中はずっと「帰りたい」と泣きつづけ、下駄箱の靴を投げて暴れるようになってしまいました。

その後、息子は小学校で「帰りたくない!」と泣き叫び下校を拒否してしまいます。その理由は、担任が朝暴れてた理由を帰りがけに聞いたところ、息子は恐らく自分が責められたと感じこうなってしまったようです。担任とM川先生は、困り果てた様子で息子を見つめています。

作者は「帰ろう」と言うものの、息子は「M川先生おるいややいやや」と泣き叫び全力で拒否します。悲しそうな顔をするM川先生は職員室に戻ってもらい、担任とともに泣き叫ぶ息子を抱きかかえてなんとか帰宅します。そうして息子は、翌日から学校に行けなくなってしまうのでした。

息子の登校拒否と母親の奮闘を描いた同作について、作者の花森はなさんに話を聞きました。

「とにかく学校に連れてきてください」と言われており…

―同作は、花森さんご自身の体験を書き記した作品なのでしょうか?

その通りです。息子が小学4年生の頃、実際に付き添い登校をしていたときの話です。子どもと一緒に毎日学校へ通い、授業や学校行事に参加する中で、大人だからこそ見える違和感や、「これはさすがにおかしいのでは…?」と感じる場面がいくつもあり、その環境の中で我慢している子どもたちの姿も何度も目の当たりにしました。

そういったことから、不登校だけでなく、今の学校という場所がどういうところなのかを知っていただけたらと思い、漫画にしてみることにしました。

―同作で印象に残っている出来事や場面を。

今思い返しても、あの頃は地獄だったな…という思いがすごくあるのですが、やはり一番学校へ連れていく時がしんどかったですね。当時は学校からも「とにかく連れてきてください」と言われ、私自身も「連れていくしかないんだ」と思い込んでいましたし、絶望的な気持ちで朝を迎えていました。

今では、子どもが行き渋る場合に無理にでも連れていくのは悪手だと知られていますし、学校側から強く言われることも少ないと思います。

今でもSNSなどで「私なら引きずってでも連れていく」といった声を見かけることがありますが、不登校対応の初期段階でそれをしてしまうと、親子ともに疲弊してしまうことが多いです。実際に私自身、とても後悔しています。無理矢理連れていくのをやめた時、本当にホッとしました。それは息子のためでもあり、私自身のためでもありました。

―この作品をどのような方に読んでもらいたいですか

今、不登校のお子さんをお持ちの保護者の方に読んでいただきたいと思っています。

あと意外とお子さんが読んでくださってるんですよね。「学校へ行きたくない理由が自分と同じだ!」と言ってくださるみたいで。現在、不登校の小中学生は約35万人、クラスに1人は不登校がいるとも言われていますが、なかなか自分と同じ状況の子どもって見つけづらいと思います。

だからこそ、「ひとりじゃないよ」「あなたと同じ理由で学校が怖いと感じている子もいるよ」と伝えたいですし、この作品が周囲の大人やまわりのお友達とそういった気持ちを話すきっかけになったらうれしいです。

<花森はなさん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/hanamori_h
▽Instagram
https://www.instagram.com/hanamori_h
▽『不登校息子のおひるごはん』コドモエweb
https://kodomoe.net/serial/futokogohan/
▽書籍『息子が学校に行けなくなりました。』(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BN2T2NQ2

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