新卒採用市場の早期化が進む昨今、26年新卒の就活生はどのような基準で意思決定を行ったのでしょうか。株式会社No Company(東京都港区)が実施した「就職活動における内定獲得・辞退」に関する調査によると、内定を辞退する理由は「待遇(給与・勤務地・福利厚生)」が最多となり、中でも「初任給25万円」がひとつの明確なボーダーラインとして認識されていることがわかりました。
調査は、26卒採用としてすでに内定を取得されている314人を対象として、2025年11月にインターネットで実施されました。
まず、「内定辞退の理由」を尋ねたところ、「待遇(給与・勤務地・福利厚生)」(96人)、「人の雰囲気・社風」(37人)、「志望業界・職種の変化」(29人)が上位となりました。
中でも待遇面では、希望月給として「25万円以上希望」を求める声が多く見られ、複数内定を獲得して企業を比較する際にも「給与」が最終的な決定要因として大きく機能しており、学生が自身の将来像を描く際、収入を重視していることがうかがえました。
一方、辞退理由2位の「社風・人の雰囲気」について、「選考中に接した社員や面接官の対応によって、志望する企業のイメージが下がった理由」を聞いたところ、「態度や雰囲気」(61人)、「話している内容・情報提供が不十分」(48人)、「質問への回答が曖昧」(33人)が上位に挙がり、「威圧的な口調」「ぶっきらぼうな受け答え」「承諾を迫る強い言い回し」などの具体的な指摘が挙げられ、面接官の対応が志望度低下の直接要因となっている実態が浮き彫りになりました。
次に、「内定を承諾、または辞退するか検討する際、口コミやSNSで役立った情報」を尋ねたところ、「給与・待遇」(18人)、「入社前後のギャップ」(17人)、「労働環境」(15人)が上位に並びました。
また、社員インタビューコンテンツを読んだり、懇親会や社員訪問で社員と会話したりする中で、「役に立った社員のキャリア年数」としては、「2~4年目の若手社員」(33.3%)と「5~10年目の中堅社員」(25.6%)で過半数を占め、学生が“数年先の自分”を具体的にイメージできるようなリアルな情報を求めていることが示唆されました。
さらに、就職活動において一般的とされてきた「合同説明会」への意識を聞いたところ、57.3%が「行く必要はない」と回答。一方、参加したことがある人の理由でも「とりあえず参加」が最多となり、目的意識が希薄な実態が明らかになりました。
この背景として同社は、「同一フォーマットでの情報提供では企業ごとの違いが見えにくく、学生にとって『比較(スペックの確認)はできても、理解(スタイルの把握)は深まらない』場になっている」と分析しています。
最後に、企業が保護者に対して内定の確認を行う「オヤカク」について、「親に企業を紹介する場合に必要だと感じる要素」を聞いたところ、「事業実績の紹介(事例)」(98人)、「年収・給与」(72人)、「雇用形態」(66人)といった項目が上位となり、親は企業に対して「安定」を重視する傾向であることがわかりました。