阪急電鉄は11月26日に大阪梅田駅のリニューアルを発表しました。阪急阪神ホールディングスが発表した「梅田ビジョン」をベースに大阪梅田駅がリニューアルされるわけですが、阪急ユーザー、阪急元アルバイトからすると、どうしても気になることがあります。
各線の停車位置が14メートル十三側に移動する
阪急では2022年に阪急阪神HDが発表した「梅田ビジョン」に向け、新たに「大阪梅田駅の将来のありたい姿」を策定しました。このビジョンでは、「すべてのお客様に居心地の良さを」インクルーシブな空間の実現、「つながる駅、広がるまち」シームレスな移動環境の実現 、「ここにしかない風景、ここでしかできない体験」レガシーの継承と進化 が盛り込まれています。
「大阪梅田駅の将来のありたい姿」に基づき、2026年1月からリニューアル工事に着手します。各線の列車の停車位置を約14メートル十三側に移動させ、駅施設の充実を図り、ゆとりあるコンコース空間にします。停車位置の移動が可能になった背景には、今年2月の10両編成で運行する列車の廃止が挙げられます。
次に、全ホームに可動式ホーム柵を設置します。可動式ホーム柵の設置により、大阪梅田駅で阪急電車がずらりと並ぶ光景が大きく変わります。また、茶屋町口改札口にエレベーターを設置。一方、「レガシーの継承」では、壮観な9面10線のホームが引き継がれます。
阪急元アルバイトが考えるリニューアルのメリット
私が注目した点は列車停止位置の移動とホーム柵の設置です。移動後、3階改札口の改札機の位置、お客様の応対窓口「ごあんないカウンター」などの駅設備のレイアウトを順次見直す、としています。
現在、3階改札口から全速力で走り、最後尾車両に駆け込む姿をよく見かけます。読者の中にも、乗務員やアルバイト要員が電車の扉を押さえてくれたおかげで、ギリギリのタイミングで電車に乗り込めた経験をお持ちの方もいることでしょう。
今回のリニューアルでは、阪急電車の1両の3分の2にあたる14メートルほど、十三側に移動します。もう少しわかりやすく書くと、車両の扉2つ分も現在の3階改札口から遠ざかります。リニューアル後は、物理的に駆け込み乗車をあきらめる利用者が多くなると予想します。また、ホームドア柵の設置により、電車の扉を押さえる、といった駆け込み乗車客への救済措置も物理的に不可能になります。
阪急でアルバイトをした経験から述べると、駆け込み乗車のために扉を押さえると、発車時間が遅れます。停車位置の移動とホームドア柵の設置により、大阪梅田駅での、よりスムーズな発車も期待できるのではないでしょうか。