株式会社スプリックス(東京都渋谷区)は、このほど「中学受験」に関する調査を実施しました。同調査によると、中学受験生の1日の勉強時間は、平日が平均「3.6時間」、休日が「5.7時間」で、受験未経験の子どもの約4〜6倍に及ぶことがわかりました。
調査は一都三県(東京都/埼玉県/千葉県/神奈川県)に居住し、中学受験を経験した中学1~3年生とその親103組、および中学受験を経験していない中学1~3年生とその親94組を対象として、2025年8月にCLT定量調査、インタビュー調査で実施されました。
調査の結果、受験した子どもの「平均勉強時間」は、休日が「5.72時間/日」、平日が「3.58時間/日」であったのに対して、受験してない子どもでは、休日が「0.93時間/日」、平日が「0.86時間/日」となり、休日で6.18倍、平日で4.16倍と中学受験の有無で勉強時間に大きな差が見られ、子どもは自由な時間の確保が難しい状況にあることがわかりました。
また、「平均通塾頻度」については、「4.5日/週」となり、「毎日」通塾している子どもは12.0%と1割強となっています。
次に、受験経験者の子どもに「受験のために我慢したこと」を聞いたところ、「友達との遊び」(75.7%)が最も多く、次いで「ゲーム」(68.0%)、「TV・YouTube」(61.2%)と個人の娯楽が続きました。
そのほか、2人に1人が「習い事」(55.3%)も我慢していることが明らかとなり、継続していた語学やスポーツなどを辞めてしまうことで、子どもの「学びの多様性」を阻害したり、好きで継続していたことの挫折に繋がっていることがうかがえました。
一方、中学受験経験者の親が「後悔していること」としては、「親からのプレッシャーで子どもがストレスを抱えさせた」(25.2%)や「中長期的に見て子どものためになる習い事を辞めさせてしまった」(19.4%)、「もっと遊ばせてあげればよかった」(18.4%)が上位に挙げられました。
調査を実施した同社は、「近年、中受マーケットはビジネスとしても大きな盛り上がりを見せ、通塾の早期化が進んでいます。表向きは中受の合格体験記や成功体験などが多く語られる一方、負の側面が語られることはほとんどありません」と指摘。
その上で、「妄信的に中学受験を選択するのではなく、メリット・デメリットを理解したうえで、中受をするかどうかの判断が必要です」とコメントしています。
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【出典】
▽SPRIX調べ