周囲を震え上がらせる不良女子学生・スケバン。一見コワモテの女番長でも、ふとしたしぐさで可愛らしく見えることも。ふじちかさんの作品『スケバンと転校生』では、そんなスケバンと転校生の邂逅が描かれています。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、5.2万ものいいねを集めました。
スケバンの南雲あつ子は、転校生・神崎凛々から頼まれた『かわいい言葉』を1日5つまで言うお遊びに付き合っています。今日も凛々の喜ぶ姿を見て、あつ子自身も「悪くないかな」と思っていました。
凛々も最初は『コワモテのあつ子がかわいい言葉を発するのが好き』なだけでしたが、お互いに「恋なのかな…?」と思うようになってきます。ことの発端は2カ月前、あつ子が落とした鍵を凛々が拾ったことが始まりでした。
鍵を手渡した凛々は「お願いを聞いて」としつこく絡むも、あつ子は「いい加減にしろ、ヤキいれられてぇのか…?」と真横の壁に穴を開けます。しかし凛々はそんなあつ子に大興奮し、「その鋭いまなざし、たまらんね…!」と両頬をつかんできたのでした。
そのとき凛々は「私にかわいい言葉を言って!」とあつ子にお願いしたことから、『かわいい言葉遊び』は始まったのでした。
それからしばらく経ち、凛々はあつ子におにぎりを作ってきます。しかし、わざわざ家で作ってきたと言ったらあつ子に驚かれてしまうと思った凛々は、「家庭科で作った」と言います。ただこの嘘は、あつ子が凛々と同じクラスであることからあっさりと見抜かれてしまいました。
その後、凛々はあつ子からのおにぎりの感想を緊張して待っていると、あつ子は「うまいな…」と笑みを浮かべます。凛々からの変わったお願いから始まった2人の仲について、友情なのか恋なのか分からずにいたあつ子ですが「この感情が恋なのかは分からねえけど、今はまだそれでもいいか」と思い直し、2人でおにぎりを食べたのでした。
同作に対しSNS上では「尊すぎる…!」「良いものを見せてもらった」など、2人の関係にさまざまな声が寄せられています。そこで作者のふじちかさんに話を聞きました。
「コワモテ女子が恥ずかしそうにかわいい言葉を使う」が作品の原点
―なぜスケバンを主役に?
一見コワモテで近寄りがたい雰囲気の女の子が恥ずかしそうに「可愛い言葉」を言うのってすごくかわいいんじゃないか?という何気ない妄想からでした。
じゃあコワモテな女の子ってどんな子だろうと考えた時に不良の女の子が浮かんだんですけど、現代の不良の女の子のイメージがいまいちつかみづらくて、スケバンなら見た目からも不良少女だとすぐに分かるのでいいんじゃないかと思ったからです。
―あつ子と凛々の心境を描くにあたって、気をつけていることは。
まわりくどい表現をして読者の方に誤解が生まれないように、なるべく2人の心境をストレートに描こうという意識はありました。
―読者へのメッセージを。
80年代を舞台にしたガールズラブコメディ『スケバンと転校生』は単行本全3巻が発売中です。単行本では、あつ子と凛々の関係性が学生生活を通して少しずつ変化していく様子を描いていますので、興味をお持ちくださった方はぜひぜひお読みいただけたらうれしいです。沢山の方に作品を知っていただけることを願っています!
<ふじちかさん関連情報>
▽書籍『スケバンと転校生(1)』(Amazon)
https://amzn.asia/d/a6wtO8J
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