埼玉県内の川で、ブラックバスばかりが釣れる水域から「いるはずがない」ブルーギルが釣れた――。そんな瞬間を記録したYouTube動画が注目を集めています。
チャンネル「埼玉ママチャリ小物釣り」さん(@saitamakomonotsuri)が投稿した映像には、25年前から通う川が、いつしかブラックバスやブルーギルなど肉食魚に“支配されてしまった”現在の姿が収められていました。
投稿主がYouTubeを始めたのは2020年1月です。
「釣り(YouTubeへの投稿)を始めたのは2020年1月の初投稿からです。普通に釣りをしてもインパクトがないと思い、他の釣り系YouTubeと差別化するために、家で愛用していたママチャリで釣り場に向かうことにしました」といいます。荷物が多く積める利便性もあり、今でも車と併用しながら撮影を続けています。
この日も、まず向かったのは長年通うお気に入りの水域。「この川ではブラックバスなど肉食魚がかなり増えていると感じています。ここまで増えると元の環境に戻すのはもう難しい状態でしょう。かつては簡単に釣れた在来種の数も、目に見えて減ってきました」と話します。かつては簡単に釣れたオイカワやアブラハヤは、今ではほとんど姿を見せなくなりました。
まず最初に釣れたのはコイ。その後、場所を変えて釣りを続けると、今度はブラックバスの群れが視界に入ってきました。「魚影を確認しながら釣りをしているのですが、今回はブラックバスの群れを見かけ、まず量に驚きました」といいます。
さらにバスを釣り上げつつ観察していると、その群れの中に“別のシルエット”が紛れていることに気づきました。「ブラックバスを狙っている中で、ブルーギルらしき魚がいることに気付き、ブラックバスから狙いを変えて釣りました」と振り返ります。
一方で投稿主は、釣り方にも工夫を凝らしています。
「自作ルアーで狙います」と紹介されていた場面では、100円ショップ「DAISO」のレジンで作った自作ルアーも披露。日頃から多様な状況に合わせて工夫して釣りを楽しんでいることがうかがえます。
その後、再び群れの多いポイントに戻ると、そこには20匹ほどの小バスが泳ぎ回っていました。「2020年頃から釣りを本格的に開始しましたが、バス以外が釣れることが珍しい状態になっていて、バスやブルーギルに支配されているように感じました」と、魚種の偏りが進んでいる現状を実感しているといいます。
そしてついに、その“違和感の正体”が姿を現します。
「今回釣れた(ブルーギルの)サイズは13センチくらいでした。釣れた数も2匹と少なかったですが、テトラの隙間に数匹群れていたのが確認できました」
体の傷もほとんどなく、「外敵がいない状況でここまで育ったように感じました」とも語りました。
実はこの川は、漁業組合の巡回エリアでもあります。「数週間前に漁業組合の方と話した時、この河川でバスが近年すごい増えたが、ブルーギルはまだ見たことがないと聞いていました」と投稿主。今回の釣果を報告すると「えっ いたんだ へ〜 ブルーギルも入ってきちゃっているんだね」という反応だったといいます。
さらに投稿主は、ブルーギルがどこから来たのか、その流入経路についてこう推測します。
「高麗川は【高麗川→越辺川→入間川→荒川】とつながっていて、元々荒川で放流されたブラックバスやブルーギルが長い年月をかけて遡上したのだと考えます」
周辺の用水路でもバスやブルーギルがかかるようになり、分布拡大が進んでいることも確認しているといいます。
長年通う水域が変わり続ける中でも、観察と記録は続けていくつもりだという投稿主。「ブラックバスがどのエリアまで遡上しているか気になるので、釣りを楽しみつつ確認はしていくつもりです」と話しつつ、「特定外来生物のブラックバスやブルーギルは釣れたら必ず〆て持ち帰ることを徹底しています」と、釣り人としての姿勢(※)も語りました。
※ブラックバスとブルーギルは、国内の生態系に影響を及ぼすおそれがあるとして法律で「特定外来生物」に指定されており、原則として生きたままの移動や放流が禁止されています。