理不尽な校則にNO!中学生による“金髪デモ”が世論を大きく揺るがす。
子役として多数の名演を披露してきた俳優の⽩⿃⽟季(15)が、岩⽥剛典を金髪ヘアで大論破!?
映画『金髪』(11月21日公開)で、金髪デモを率いる中学生・板緑を演じる。
金髪で大人を脅す
校則への抗議の意味を込めて金髪で登校。板緑が発案した金髪デモは生徒たちに飛び火し、事なかれ主義の担任教諭・市川(岩田)の人生をも大きく変えていく。
「頭髪を金色にして抗議するというのは、自分を武器にして大人たちを脅しているようなもの。板緑の行動力は驚くと同時に同年代として怖さも感じます。周囲に与える影響を顧みずに行動する力には圧倒されました」
自身と板緑とを比較して「私は何をするにも周囲の影響やリスクを考える癖があるので…」という⽩⿃は、確かに直情型の板緑とは違っているようだ。取材にはノートを持参。本作への自身の感想や取材者に伝えたいポイントをまとめたものが箇条書きで記されていた。転ばぬ先の杖タイプの優等生だ。
目がチカチカ
そんな白鳥は劇中で金髪姿を初披露。本人的にはリアルに頭髪を染めて演じたかったそうだが、髪質的に理想の色味が出ない恐れがあった事から、泣く泣くウィッグ対応を了承したという。
「実際に染められなかったのは残念でしたが、ウィッグを装着した瞬間に『だ、誰!?』と思うくらいの別人が鏡の中にいました。最近流行の白色に近い金髪ではなくて昔ながらの金髪。ザ・ヤンキーという感じで不良になれた気がしてドキドキしました」
板緑ら金髪姿の生徒たちが教室を占拠するかのように集合する場面は、圧巻であると同時に見慣れない景色すぎて異様。物理的にも知られざる苦労があったようだ。
「とにかく金髪の光の反射が凄くて…。眩し過ぎて目がチカチカしました。私はみんなと同じ視点だったから良かったけれど、教壇に立つ岩田さんの視覚的にはもっと大変だったのではないかと思います」
その反面、金髪に助けられた事も。
「役への切り替えという意味では助けられました。金髪ウィッグを装着した瞬間から、自分は板緑でなければならないと、役に入る意識が通常よりも高まりました。噛まずにセリフを言って岩田さんを論破するぞ!と…。目に見えるものが与える影響ってここまで大きいのかと実感しました」
岩⽥剛典の優しさ
担任教諭・市川を相手にした本音vs建前の舌戦が見どころ。金髪姿で眉根に皺を寄せ、校則に対する疑問を次々とぶつけていく論破力は大人をタジタジにさせる。
「意識したのは目力です。私は単純な人間なので一つの所に集中して力を入れれば、全体の表情や雰囲気も付いてくると思ったので。両方の眉毛の付け根に力を全集中。私が演じることでセリフから漂う威圧感を削いではならないとグッと力みました」
市川役の岩田とは劇中では対立関係にあるが、物語外では協力関係に。優しさに何度も救われたらしい。
「難しい言い回しの長セリフにアワアワする私を励ましてくれて、セリフのやり取りの練習にも付き合ってくださいました。年下の私が気を使っている事を汲み取ってくださって、休憩中に率先して声をかけてくれました」
第38回東京国際映画祭では観客賞を受賞。白鳥は同じ10代にこそ本作を鑑賞して欲しいと願う。その理由を「先行投資」と表しながら。
「この映画はコンセプト的にも市川先生の大人視点で観る方が多いと思いますが、私と同世代の人たちには板緑視点で観てもらいたいです。今は市川先生の主張に共感出来ないとしても、将来大人になった時に『あの時の市川先生はこういう気持ちだったのか…』と伏線回収できると思うので。10代には先行投資として『金髪』を楽しんでもらいたいです」