三重県伊勢市にある水族館「伊勢シーパラダイス」が公式アカウント(@iseseaparadise)にて投稿した、閉館後の“意外な来訪者”の様子が話題となっています。
「お客さまーーー!!あーーーー!!困りますお客さま!!タツノオトシゴに登られても困ります!!もう閉館時間です!!!!!」という言葉と共に投稿されたのは、壁に装飾された大きなタツノオトシゴのぬいぐるみに登っているアカテガニ。スタッフの気持ちなんてよそに、壁をよじ登っていく姿には、「どうやってそこに?!」「大志を抱きすぎwww」と驚きの声が寄せられ、1万件を超える「いいね」を集めました。
「伊勢シーパラダイス」のSNS担当者に話を聞いたところ、なんとこのアカテガニは水族館の昔からの”常連さん”でした。
「気候が暖かくなると施設に入ってくる、昔からの常連さんです。普段は山や森林などに生息していて、産卵のために汽水~海水を目指して山から下りてくるんです。『伊勢シーパラダイス』はその際の通り道となっています」
アカテガニは夏から秋にかけて毎年のように姿を見せる風物詩のような存在で、 「シーパラの小さな常連さん」として年間パスポートが発行され、館内に掲示されていたことも。
夏場にはよく「カニが脱走している!」とお客さんから声を掛けられることも多いとか。「伊勢シーパラダイス」で働き出して日が浅いスタッフの中にも、「カニが脱走している」と驚くそうです。
「以前、先輩スタッフに報告したところ、『野生だからそのままそっとしておいて』と回答されて大変驚きました。ですが、その後もかなりの頻度で出くわすので、『これがここの普通なんだな』と思った記憶があります」
今回の動画では、壁の高いところに装飾されているタツノオトシゴのぬいぐるみによじ登っていたアカテガニ。投稿には「どこから登ったん?」などの驚きの声が寄せられました。
「自然界でも岩や木に登るので、壁を乗り越えようとした際にぬいぐるみの生地が引っかかりやすく、つい登ってしまったのかもしれません」
常連さんとしてスタッフの間では親しまれているこのアカテガニですが、いろいろな場所に侵入し、出没するので時には困ることも。
「アシカやアザラシのショープールに現れることもあります。アカテガニがいるとアシカたちが追いかけて遊んでしまうので、ショーが成立しないこともあった…とアシカ担当のスタッフから聞きました」
中には夏を終えても屋外に戻らず、伊勢シーパラダイスで冬を越した強者もいたそうです。
「本棚の横にある鉢植えに巣を作って越冬したアカテガニがいました。そのアカテガニは今はもうどこかへ旅立っていきましたが、今でもたまに鉢植えを覗くとまた違う個体が入っていることがあります」
伊勢シーパラダイスは海と山に囲まれた自然豊かな場所に位置しており、アカテガニのほかにもフナムシやカマキリ、アシダカグモ、ナナフシなどと出会うことがあるそうです。
「私たちにとってはかなり身近な存在のアカテガニですが、皆さんにとっては珍しいものなんだとあらためて感じました。今回の投稿を通して、『身近な場所にもいろいろな生き物がいる』ことに興味を持ってもらえたらうれしいです」