「みんなの離婚の原因は?」「離婚をしたいけど、迷っている」
そんなことを考える人もいるのではないでしょうか。
実は、離婚の原因と対応方法を知ることで、夫婦関係が修復可能かを判断できるのです。本記事では、最新の離婚原因ランキングや、夫婦関係修復の対処法5つを解説します。
【2025年最新】離婚原因ランキングTOP10|男女別データで見る実態
現在日本では、厚生労働省「令和6年(2024) 人口動態統計月報年計」によると、年間約18万6千組の夫婦が離婚しており、離婚件数の割合は約3組に1組(約35%)となっています。
離婚を考えている人や夫婦関係に悩んでいる人にとって、「他の人はどんな理由で離婚しているのか」はとても気になるでしょう。
ここでは、男女別にどんな理由で離婚が起きているのかをわかりやすく紹介します。
離婚の原因の男女の違い
以下の「令和3年 司法統計年報(家事編) 第19表 婚姻関係事件数―申立ての動機別申立人別」のデータを見ると、男性と女性で離婚原因の優先順位が大きく異なることがわかります。
▽男性ランキング
1位:性格が合わない
2位:精神的に虐待する
3位:異性関係
4位:家族と仲が悪い
5位:浪費する
6位:性の不一致
7位:同居に応じない
8位:暴力振るう
9位:生活費を渡さない
10位:家庭を捨てて省みない
▽女性ランキング
1位:性格が合わない
2位:生活費を渡さない
3位:精神的に虐待する
4位:暴力を振るう
5位:異性関係
6位:浪費する
7位:性の不一致
8位:家庭を捨てて省みない
9位:酒を飲みすぎる
10位:家族と仲が悪い
ランキングを見ると、離婚の理由には男女で大きな違いがあり、結婚生活で重視することや感じるストレスの内容が男女異なるため、離婚に至る原因も違ってきます。
ここからは、それぞれの離婚の理由について深堀していきます。
1位:性格が合わない
男女ともに一番多い離婚理由は「性格が合わない」ですが、これは特に男性に多く、女性もかなり高い割合を占めています。ただし、この「性格の不一致」という言葉は、本当は不倫やお金の問題など別の原因があっても、それを直接言いたくないときに使われることがよくあります。
注意したいのは、法的な場面ではこの言い方だけでは通用しない場合があることです。話し合いでの離婚(協議離婚)では問題ありませんが、家庭裁判所での調停や裁判になると、「性格が合わない」だけでは離婚が認められないことがあります。
離婚が認められるためには、夫婦関係が完全に壊れていて、もう元に戻せないことを具体的に示さなければならないのです。
2位:精神的虐待(男性)・生活費を渡さない(女性)
男性の離婚理由で2番目に多い「精神的虐待」には、妻からの暴言や人格を否定する言葉、強い束縛などが含まれます。最近では、男性が受けるモラハラ(モラルハラスメント)への理解が進んできたことが、この背景にあります。
一方、女性の2番目に多い理由である「生活費を渡さない」は、経済的なDV(家庭内暴力)の一つです。夫が収入を自分だけのものにして、妻に生活費を渡さないことで、女性が自立できなくなり、離婚を難しくする深刻な問題とされています。
3位:異性関係(男性)・精神的虐待(女性)
男性の離婚理由で3番目に多い「異性関係」は、主に妻の不倫を意味しており、信頼を失ったことで関係の修復が難しくなり、離婚に至るケースが多くあります。
一方、女性の3番目の理由である「精神的虐待」は、夫からの暴言や人格を否定する言動、さらには経済的に支配されることなどが含まれます。モラハラ(モラルハラスメント)という言葉が広まり、自分の状況に気づいて離婚を決断する女性が増えてきているのが現状です。
4位:家族関係(男性)・暴力(女性)
男性の離婚理由で4番目に多い「家族・親族と折り合いが悪い」は、妻の親や親戚との関係がうまくいかず、そのストレスが原因で離婚を選ぶケースです。
一方、女性の4位の理由である「暴力を振るう」は、夫からの身体的な暴力、つまりDV(家庭内暴力)を意味します。命の危険を感じるほど深刻なケースも多く、DV防止法の整備や支援体制の充実により、離婚に踏み切る女性が増えてきています。
5位:浪費(男性)・異性関係(女性)
男性の離婚理由で5番目に多い「浪費する」は、妻が必要以上にお金を使ったり、ギャンブルをしたりして家計に悪影響を与えることが原因です。
一方、女性の5位の理由である「異性関係」は、夫の不倫や浮気を意味しており、信頼を裏切られたことがきっかけで離婚に至るケースが多くあります。
6~10位:その他の離婚原因
6位以降の離婚理由を見てみると、「性の不一致」が男女ともに上位に入り、夫婦の性生活がいかに大切かがよくわかります。「同居に応じない」という理由は特に男性から多く挙げられており、長く別居が続くことに対する不満があるようです。
また、「家庭を放ってかえりみない」や「お酒を飲みすぎる」といった理由は、家族への責任感の欠如や依存の問題など、深刻な背景があることを示しています。
これらの理由は単体で見ると数は少ないですが、いくつかの問題が重なって最終的に離婚に至るケースも少なくありません。
増加傾向にあるセックスレス・性的不調和による離婚
近年、離婚原因として注目されているのが「性的不調和」による夫婦関係の破綻です。
「令和3年 司法統計年報(家事編) 第19表 婚姻関係事件数―申立ての動機別申立人別」の調査では男性の6位、女性の7位にランクインしており、1975年から2021年までの長期データでは確実に増加傾向を示しています。
この背景には、以下のような理由があります。
・セックスレスや性的な好みの違いが原因で精神的な苦痛を感じる人が増えた
・性の問題について話しやすい社会になってきた
・専門家に相談しやすくなった
・女性が経済的に自立できるようになり、無理に結婚生活を続けなくてもよくなった
「性的不調和」は、ただのセックスレスだけでなく、性的な好みが合わないことも含まれます。たとえば、過去には「性行為のときに靴を履くよう強要された」ことが原因で離婚が認められた例もあり、性生活における相手への配慮や理解が重要だと裁判でも判断されています。
今の時代では、性生活も夫婦関係の大切な一部とされており、お互いを思いやる姿勢が、円満な関係を続けるうえで大切だと考えられています。
夫婦関係修復のための対処法4つ
離婚を考える前に、まずは夫婦関係を修復できる可能性がないか探ってみることも大切です。実は、多くの夫婦の悩みは、正しい方法で向き合えば改善できることがあります。
ここでは、専門家がおすすめする4つの具体的な対処法を紹介し、それぞれがどんな状況に効果的なのかをわかりやすく解説します。
1.コミュニケーションの改善
夫婦の問題の多くは、話し合いが足りなかったり、お互いの気持ちを誤解していることが原因です。関係をよくするには、まず相手の話を途中でさえぎらず、しっかり最後まで聞くことが大切です。
また、週に一度は夫婦だけでゆっくり話せる時間を作り、お互いの気持ちを素直に伝え合う夫婦会議をするのがおすすめです。そのときは、「あなたが悪い」と責めるのではなく、「私はこう感じた」と、自分の気持ちを主語にして話すと、落ち着いた前向きな会話ができます。
2.第三者を交えた話し合い
夫婦だけで話し合うと感情的になってしまう場合は、信頼できる第三者に間に入ってもらうのが効果的です。特に夫婦カウンセラーなどの専門家に仲介してもらうことで、冷静かつ建設的な話し合いが期待できます。
夫婦カウンセリングは一人でも夫婦二人でも受けることが可能で、専門的な視点から問題の本質を見極め、適切な解決策を提案してくれます。第三者が入ることで話が落ち着いて進みやすくなり、新しい解決のヒントが見つかることもあります。たとえ最終的に離婚という結論に至ったとしても、カウンセリングを通じて感情的なわだかまりを整理し、お互いに納得した状態で新たな人生に向かうことができるでしょう。
3.一時的な距離を置く
深刻な対立が続く場合は、関係修復のための冷却期間として一時的な別居も選択肢になります。別居期間中は、お互いの存在の大切さを再認識したり、自分自身の問題点を客観視したりする機会になるでしょう。
別居を検討する際は期間を明確に設定し、別居中のルールを事前に話し合っておくことが重要です。期間終了後は必ず話し合いの場を設け、関係修復に向けた具体的な計画を立てましょう。
4.法的サポートを受けながらの関係修復
夫婦の問題が複雑で、法律が関係してくるような場合は、家庭裁判所の円満調停制度を活用することも検討しましょう。円満調停では、中立的な立場の調停委員が間に入り、冷静に話し合いを進めることが可能です。
また、ADR(裁判外紛争解決手続き)を利用するという選択肢もあります。ADRは裁判所を通さずに、民間の調停機関や仲裁機関で話し合いを行う制度で、より柔軟で迅速な解決が期待できます。
調停は離婚のためだけではなく、夫婦関係を修復したいときにも利用できます。複雑な法的問題が絡む場合は弁護士に相談することもありますが、関係修復が目的であれば、むしろ夫婦カウンセラーやADRの調停人と連携しながら心の問題に重点を置いた対応をすることで、よりよい解決方法を見つけやすくなるのです。
離婚原因を理解して最適な選択をするために
離婚原因を正しく理解することで、現在の夫婦関係を客観視し、修復か離婚かの適切な判断ができるようになります。どのような選択をするにしても、この記事が後悔のない人生を歩むためのきっかけとなることを願っています。
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