ルミネ荻窪は10月18、19日に開かれるイベント「中央線文化祭2025」のイラストについて「制作過程に問題があった」として「必要な確認が完了するまでの間、該当ビジュアルを一時的に撤去させていただきます」と発表し、「ご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。3日、公式サイトで発表した。
ルミネ荻窪で開かれる「中央線文化祭2025」のイラストは、漫画家の江口寿史さん(69)がショートカットの女性を描いたもので、文筆家でモデルの金井球さん(24)が自身のSNSに投稿した写真を無断利用していた。
江口さんは3日午後2時すぎ、「中央線文化祭のイラストは、インスタに流れてきた完璧に綺麗な横顔を元に描いたものですが、ご本人から連絡があり、アカウントを見てみたらSNSを中心に文筆/モデルなどで発信されている金井 球さんという方でした」「その後のやり取りで承諾を得たので再度公開します。金井さん(@tiyk_tbr)の今後の活動にも注目してくださいね」と事後承諾を得た金井さんのXアカウントを紹介し、「JR荻窪駅のルミネ、地下と1階出入り口にどでかい看板が現在貼り出し中なので近隣の方はしばらくの間よろしく!」と自身のイラストをあらためて告知した。
江口さんの対応に対し、「元に描いたどころかほぼトレースじゃん」「勝手に描いたの?プロが!?」「事後承諾取ったからとやかく言われる筋合いないみたいな書き振り」と批判の声が寄せられた。その後、ルミネ荻窪がイラストを撤去したとみられる。
自身の横顔写真を無断利用された金井球さんは「(わたしの横顔が、知らないうちに大きく荻窪に……!?) と、お問合せをしたところ、直接ご連絡をいただき、このようなかたちとなりました」と江口寿史さんの釈明投稿を引用し、金井さんがルミネに問い合わせたことで江口さんが対応した経緯を明らかにし、「金井球と申しまして、嫌いな食べ物と愛用しているお風呂用洗剤があります。わたしはわたしだけのものであり、人間としてさまざまな権利を有しております」などと記し、「江口先生、このたびは(ほくろを描き足していただくなど)誠実にご対応いただきまして、本当にありがとうございます!」とつづった。
また、金井さんはその後の投稿で「事後的にはなりますがクレジット入れてもらって使用料もいただきました」とイラストに金井さんの名前が入ったり、使用料が支払われるなどの対応があったことも報告した。
ルミネ荻窪で開かれる「中央線文化祭2025」では、19日に江口寿史さんとバロン吉元さんが予定されており、江口さんはXで「バロン先生は実にエネルギッシュな人なので、元気もらえると思うよ。おれももらいたい!皆さん是非来てください!」と呼び掛けていた。
江口寿史さんは1956年生まれの漫画家、イラストレーター。週刊少年ジャンプで連載された学園コメディ「すすめ!!パイレーツ」や「ストップ!!ひばりくん!」が代表作で、1990年代以降は美しい線で描かれた女性のイラストが人気を博し、イラストレーターとして広告やCDジャケット、雑誌などで数多くのビジュアルを手がけてきた。近年は自身のイラストレーション展を全国各地で開催した。