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「医師免許には食品衛生責任者の資格もある」そうなの!? 飲食店を開業した医師に話を聞いた

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

「医師免許には、実は『食品衛生責任者』の資格が内包されており、飲食店をやる際に便利である、という話を聞いて、それを本当に活用してバーをオープンさせた医師がこの私です」

東京にて、医師として働きながら、バー経営も行っているというDr.キックさん(@dr_kick_)。

これまで起業に挑戦するなかで得た学びや、現在のバー運営の体験談などをX(旧Twitter)を通じて発信されています。

医師や医学系の課程を修了した人は飲食店開業のハードルが低い?

バーなどの飲食店の開業には、“食品衛生責任者”の資格が必要になります。資格取得のためには、各都道府県にて開催される「食品衛生責任者養成講習会」を受講するのが一般的です。

しかし、資格取得の方法はそれだけではなく、大学や専門学校で特定の学問を学んで卒業したり、その分野の専門職に就くことで、資格を有することができるケースもあります。大阪市のホームページによると、「食品衛生責任者になることができる者」の項目のなかに、「医師、歯科医師、薬剤師、獣医師あるいは医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学又は農芸化学の課程を修めて卒業した者」とあります。

つまり、Dr.キックさんのように医師として働いていたり、医学系の大学や専門学校を卒業した方であれば、講習を受けなくても食品衛生責任者として認可されるということ。

その点では、一般の方より飲食店開業のハードルは低くなるといえるかもしれません。

実際、Dr.キックさんは、その仕組みを利用して、バーを開業させました。

「知らなかった」
「そのバー行ってみたい!」
「選択肢が広がった気がします」
「知識を別の分野に応用する発想が素晴らしい」

Dr.キックさんのXのリプ欄には、驚きや称賛の声が寄せられています。また、「近所に東大出身で飲み屋を副業でやっている先生がいる」、「昔遠い先輩が脱歯科医院して回転寿司チェーンを成功させていた」など、同様の方法で飲食店を経営したと思われるケースについて紹介する方も多くいました。

学生時代に学びをくれた飲食店・バーを自身で経営

現在、Dr.キックさんは、クリニックの院長として週4日働き、医療系ビジネスを運営する会社の仕事も行いながら、都内に「騒がしい繁華街で隠れ家的に静かに飲める」をコンセプトとしたバーを経営されています。

当初、バーは医師の仕事が休みとなる日に「週2日」開店していたとのこと。現在は店の運営を非医療者のスタッフに任せ、「週5日」で営業しているといいます。

しかし、なぜ業種としてバーを選んだのでしょうか?

それは、Dr.キックさんが学生時代に飲食店でアルバイトをしたり、バーで働いたりした経験があったためでした。

「都内の繁華街のバーをひとりで任せてもらったこともありましたが、そのお店ではバーでの接客の楽しさを教えられました。『その日、何時に誰が来るか分からない』というランダムな点に面白さがあると感じました」(Dr.キックさん)

お酒を出す場であるがゆえ、お客から理不尽に怒られたりしたこともあったそうです。しかし、そのような経験を通じ、初対面の人との適切な距離感や、相手の機嫌を損ねず話す方法などを学ぶことができました。そしてそれは、救急外来の対応など、現在の医師としての仕事にも役立っているといいます。

Dr.キックさんの飲食店での学びのエピソードは、Xでも紹介されています。

他のビジネスでも社会貢献したい

また、Dr.キックさんは、バー以外にもさまざまなビジネスで起業を行ってきました。

その理由は、「医師として患者さんを救うこと以外にも、病院の外でビジネスとして社会貢献することに興味があったため」とのこと。しかしながら、決してうまくいくことばかりではありませんでした。

「これまで、医療系メディアの運営、医学書用のPOPを作成しての書店営業、マッチングアプリの開発など、いろいろなことに挑戦して失敗しています」(Dr.キックさん)

特に、いちばん大きかった苦難は、最初の法人を立ち上げた際、設立数ヶ月で共同出資者と大揉めした経験だったといいます。

「出資する」と近づいてきた人物に金を巻き上げられることになり、最終的には胸ぐらを掴み合う壮絶な大げんかに――。

そんな大変な経験も通じ、「人は洗脳される」、「共同経営はよっぽどうまくやらないと続かない」など、起業において大切なことを学んだといいます。

その時のエピソードはXでも紹介されています。

そんなDr.キックさんですが、現在は自分や周囲、社会を幸せにできるような規模の大きな事業を計画中。挑戦は続きます。

  ◇  ◇

自身の体験や、周囲の人々や社会に貢献したいという思いをもって、バーなどの事業経営に取り組んでいるDr.キックさん。起業にまつわるエピソードやノウハウについて、Xを通じて日々発信されています。

今後、起業やバー開業を目指す方に向けてメッセージをお願いしたところ、「目指しているヒマがあったら動け」とのことでした。

■Dr.キックさんのX(旧Twitter)はこちら
 →https://x.com/dr_kick_

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