「あと数年で看板そのものも完全に喰われてしまうかもしれないな...」
林道をツーリングするのが趣味というナノレカワさん(@nanorekawa)。
訪れた林道で、自然の脅威ともとれる場面を目撃。その写真をX(旧Twitter)に公開したところ、多くの反響がありました。
ナノレカワさんが訪れたのは、埼玉県大里郡寄居町にある林道馬騎ノ内線。
その林道のなかで、ナノレカワさんはこんな風景を目の当たりにしました。
大きな1本の木。その樹皮に覆われる形で、何かがすっぽりと隠れているように見えます。
実は、林道馬騎ノ内線はナノレカワさんが度々訪れている場所であり、その光景もその度に見ているといいます。しかし、その様相は徐々に変わっているようで――。
投稿にて、ナノレカワさんはその場所を最初に訪れた2007年の時の写真も公開し比較。2007年には、まだ丸い形の看板が半分ほどその姿をのぞかせていますが、今年はそのほとんどが見えなくなってしまっていることが分かります。
さらには、ナノレカワさんは、この間にも度々その場所を訪れています。その時の写真も見比べると、徐々に時間をかけて、看板が木に食われているかのように、樹皮に覆い隠されてゆくことが如実に分かります。
ある種、生命の神秘を感じさせられるナノレカワさんの投稿。リプ欄にも驚きの声が寄せられていました。
「自然には勝てませんね」
「こうやって消えたものが他にもあるのではないかと思うとワクワクする」
「そして50年後に倒木のなかから発見される」
また、「タイムラプスで見てみたい」というコメントも。その要望に応える形で、ナノレカワさんは各年の看板の様子を時系列に並べたGIF動画も公開。看板が食われていく過程がよりよく確認できます。
看板のリスは「山火事防止」のための公式マスコットキャラ
なお、ナノレカワさんの投稿で「まといリス」と紹介されている看板のキャラクターですが、実は山火事防止のシンボルとして、農林水産省の外局である林野庁によって制定されたもの。
江戸時代に消火活動の目印として使用されていた“まとい”がトレードマークで、1974年には『リスのまとい』というタイトルでアニメ映画化もされています。
件の看板は、この場所を訪れた人たちへの注意喚起のために設置されたものの、昨今ではあまり人が来なくなり、人知れず木に飲み込まれていってしまったのかもしれませんね。
――件の看板はどのような区画にありましたか?
ナノレカワさん:林道起点から恐らく500~600mほどの地点の道の脇に立つ木に、この看板がありました。初めて見つけた年(2007年)には、珍しいものがあるな、程度に思っただけで、とりあえず写真には収めておいた感じでした。
――その後も度々同所を訪れていますね。
ナノレカワさん:2019年にその看板のことを思い出し、久しぶりに見に行ってみようくらいの軽い気持ちで訪れてみたところ、樹皮の成長が思いのほか進んでいて、最初は気づかずに通り過ぎてしまい、改めて引き返してその変化に大変驚きました。それ以降も訪れて、樹皮が日々成長を続けていることが分かり、驚くとともにとても楽しくなりました。
――今後、この場所を訪れる予定は?
ナノレカワさん:今後も近くに行ったときは訪れてみたいですし、いずれ看板がすべて見えなくなってしまうまで観察は続けてみたいと思います。
◇ ◇
「バイクに乗る理由は林道へ行くため、というくらい林道にはまっています。ひと気のない森の中を走っていると、まるで自分がその自然の中の一部になったようで、日常を忘れられるような感じがしてとても落ち着きます。また、同じ林道でも四季折々の景色の変化があり、何度でも訪れたくなってしまいます」
林道の魅力について、このように語るナノレカワさん。
その感動を他の人々にも伝えるべく、以前よりご自身のホームページでツーリングの記録を公開されてきました。見てくれた人から「林道の魅力に気づきました」といったコメントをもらうこともあるといい、「そういう時、記録を公開してきて良かったと思えます」と話されていました。
■ナノレカワさんのX(旧Twitter)はこちら
→https://x.com/nanorekawa
■ナノレカワさんのホームページ『林道ナノレカワ線』はこちら
→http://nanorekawa.sakura.ne.jp/