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「付き合うがしっくりこないなら…飼い主でいいけど」 透明人間少女と狼男少年、“友達以上ペット未満”な関係に「付き合っちゃえよ!」の声殺到【漫画】

海川 まこと 海川 まこと

海外定番のホラーキャラといえば、狼男やドラキュラ、メドゥーサ、フランケンシュタインといったモンスターたちが有名でしょう。漫画家の酢豚ゆうきさんが「webアクション」(双葉社)で連載している『月出づる街の人々』は、モンスターたちの少年少女たちによるドラマを描いた一作です。以前X(旧Twitter)に透明人間と狼男のエピソードが投稿されると、4.5万もの「いいね」が寄せられています。

少年の狼男に癒される透明人間の少女

雨が降っていたある日のこと、透明人間で学生の「はるみ」(普段は周りから見える)は下校時に傘がなくて困っていました。すると、「やる」と言って自身の傘を差し出す男子生徒の狼男少年。また「俺、狼だから」と言って人間の状態から狼の姿になり、スクールバッグに学生服を押し込みます。さらに「傘は返さなくていいから」とはるみに伝え、口でバッグを加えてその場から去るのでした。

その後、傘をきっかけに“毛づくろいメイト”になった2人。何をするかといえば、例えば狼男少年が狼の姿で図書室で本を読んでいた時、後からやってきたはるみが狼男少年の学生服を脱がせ、本を読みながら彼の毛をブラシでとかします。はるみいわく、子供の頃にケルベロスを飼いたかったそうだが、父が犬アレルギーで断念したとのこと。

その話を聞いた狼男少年は「俺はケルベロスでも犬でもない 人だ」と返しますが、「いいや 犬です」と即答するはるみ。さらに、はるみはブラッシングを続け、「動物セラピーって本当なんだね」「癒されるわぁ~」とご満悦な様子です。

はるみと解散した狼男少年は、帰り道で「なんでこんなに恥ずかしいんだ」「あいつの手つきがいやらしんだ!」とひとりつぶやきます。しかし、「これはよくない」とかぶりを振り、帰宅後に本を読んで邪念を払おうとするものの、悶々とした時間が続くのでした。

翌日、新しいブラシを購入して学校に持ってきたはるみに、クラスメイトのメドゥーサが「もう付き合っちゃえばいいじゃん」と伝えるも、「そういうんじゃないんだって~」と返します。しかし、「むこうはそう思ってないかもよ」「気があるかも」と助言するメドゥーサ。それを聞いたはるみは、まんざらでもない様子でした。

放課後、待ち合わせ場所に人の姿をした狼男少年が。そして、狼男少年は「やっぱりやめようと思って」「とにかく明日からここ来ないから」と一方的に伝えたあと、狼の姿になってひとりで下校します。その後、帰り道で「あいつは俺にペットとしての感情しか持っていない」「これでいいんだ」と自身に言い聞かせ、遠吠えをする狼男少年。

すると、鼻が利く狼男少年は、ある人のニオイを感知。さらに、どこからともなく「追いついたのすごいでしょ?」という声が聞こえます。声の主は、透明になったはるみだったのでした。

そして、はるみは「友達がさ、もう付き合っちゃえって言ってんだけど どうする?」と切り出します。しかし、狼男少年は「お前 俺のこと犬としか見てないだろ」と返すも、「狼もキミであることに間違いはないわけだし」「付き合うがしっくりこないんだったら…飼い主でも別にいいけど」と大胆な発言をするはるみ。狼男少年は断じて受け入れられないと思ったものの、「こいつの目があまりにもまっすぐだったから…」と心の中でつぶやきます。

そして、その後も2人の関係は続き、木の下で読書を楽しんでいたところに雨が降り出します。またもや傘がないはるみに、狼男少年が傘を譲ろうとするも、傘を咥えた狼男少年を抱き上げるはるみ。2人は「駅までならなんとか」「これだったらふつうの相合傘の方がマシだ」と言い合いながら帰路につくのでした。

読者からは「学ランを着た狼男少年が可愛すぎる」「人間同士にはない青春って感じが新感覚」などの声が。そこで作者の酢豚さんに、同作を描き始めたきっかけについて話を聞きました。

連載のきっかけは同人誌即売イベント

―『月出づる街の人々』を描いたきっかけを。

私たちの現実とは異なる世界に生きる人々(モンスター)を描きつつ、彼らの感じる感情は私たちと変わらない――そんな漫画を描きたいなと思い、このシリーズを始めました。

はじめは同人誌即売イベントのコミティアで自分で頒布していたのですが、5話ほど描いたところで双葉社様から連載のお声がけをいただき、現在はwebアクションにて連載させていただいています。

―『透明人間少女と狼男少年』で特にお気に入りの場面を。

ラストの、桜の木の下でふたりが本を読んでいるシーンが気に入っています。ふたりのいい関係性が描けたと思いました。また、狼男(駿介)が図書館から一人で帰るときに、もどかしい気持ちになっている場面の口を開けた表情の絵も好きです。あと、そのあと狼男(駿介)がはるみ(透明人間)と話しているときに、鼻にしわが寄っている表情も気に入っています。

―透明人間や狼男の他にドラキュラやミイラ男といったモンスターが登場しますが、そういったキャラのビジュアルはどうのように考案したのですか?

キャラクターのビジュアルは、思いついたままスッと描いていて、あまり凝ったデザインにはしていません。モンスターではありますが、私たちと同じような感覚を持っていることが伝わるように、なるべく素朴なデザインにしています。同じ種族のキャラクターが登場することもあるので、そういうときは見分けがつくように工夫しています。

―読者にメッセージをお願いします。

漫画を読んでいただき、ありがとうございます!もしひとつでも気に入っていただけるお話があったなら、とてもうれしいです。これからも、読んで前向きな気持ちになっていただけるような漫画を描いていきたいと思っています。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!

<酢豚ゆうきさん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/yukikanayama20
▽『月出づる街の人々』をwebアクションで読む
https://comic-action.com/episode/4856001361020646232
▽『月出づる街の人々』(双葉社)
https://www.futabasha.co.jp/book/97845754402630000000?type=1

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