「バトルエンピツ」通称バトエンの画像がXで大きな反響を集めている。
投稿したのは、螺鈿職人の野村拓也(@takuyanomurardn)さん。仕事で使う予定で鉛筆を探していたところ、母親が出してきたのが、ドラゴンクエストのキャラクターが描かれたバトルエンピツだったそう。
1993年に発売され、転がして出た面でバトルを進行。対戦して遊べる鉛筆で、禁止になった学校もあったほど大流行となった。「新品やから使えるやん!」と言う母と、「削れない…」と迷う野村さんの投稿は、かつてバトエンで遊んだ人々の大きな反響を呼んだ。結局削ってしまったのか?野村さんに話を聞いた。
――お母様がこの鉛筆を出してきた時は?
野村:これは鉛筆なんだけど鉛筆ではないんだ…!と思いました
――当時の思い出は?
野村:最初は遊び方もよくわからず、とりあえずカッコいいキャラクターがプリントされた鉛筆を買ってもらって喜んでたのを覚えています。私が通っていた小学校では爆発的に流行っていたわけではないのですが、友達とバトルしたことを覚えています。
――当時の印象的なエピソードは?
野村:鉛筆ではなく、おもちゃとして、削らずにずっと大切にしていました。それが今回、良い状態で残っていた理由です。「あばれうしどり」というモンスターがいて、ゲームの中では強くないのですが、なぜかバトエンではかなり攻撃力が高く、よく使っていました。Xでの反響を見ると、そのギャップを覚えている方も多いようです。
――鉛筆が必要となった理由は?
野村:家業で、貝の光沢層を漆器や装飾品に貼り付ける伝統工芸、螺鈿の専門店を営んでいて、団体の体験イベントがあったからです。
――「削れない…」と思った理由は?
野村:子供の頃から大切にとっておいたバトエンだったので、もう遊んだりしないのに躊躇してしまいました。削った後は、なにか大切なものを失ってしまった気持ちになりました…。
◇ ◇
「学校で禁止になっているやつ…!」「このポストを見なければ二度と思い出すことはなかった」「甘いって言って齧ってる人もいた」「俺がクラスで流行らせた」など、懐かしい思い出の声が寄せられた。
なお今回の話題を提供してくれた野村さんは螺鈿の文化を後世に残していくため、体験イベントやSNS発信、通販サイトなどさまざまな活動をテイン海中。「螺鈿という伝統工芸品が未来でも形を変えながら人々の日々の生活を彩るようなものであることを願ってます」ということなので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
野村拓也 Xアカウント:https://x.com/takuyanomurardn