2023年7月13日に「撮影罪」が施行されました。迷惑行為の中でも“撮影”に特化した法律として注目され、抑止力が期待されていました。
ところが、警察庁の統計によると、盗撮による検挙件数は2022年の5737件から2023年には1196件増加し、6933件に。法律の施行にもかかわらず、実態としては年々増加傾向にあるのが現状です。
そんな中、実際に危ない状況を目撃したという声も上がっています。都内に住む会社員のTさん(30代・男性)は、3歳の息子と近所の公園のじゃぶじゃぶ池に水遊びに出かけたとき、背筋が凍るような出来事に遭遇しました。
平和な公園に、不審な影…
「平日の昼下がりで、周囲はお母さんたちが中心でした。僕は“ひとりだけのパパ”状態。他のご家族とほどよく距離を保ちつつ、子ども同士で遊んでるときは、相手の親御さんに挨拶したりもしました。息子が楽しそうにしている姿を見ているだけで癒される時間だったんです」
そんな穏やかなひとときが、突然、緊張に変わります。
「息子から少し視線を外すと、木陰に見知らぬ中年男性がひとり、カメラを構えているのが見えました。子ども連れでもなさそうで、他の保護者とも接点はなさそう。まさかと思って、レンズの先を確認したら…うちの息子含め、水遊び中の子どもたちがいたんです」
その瞬間、Tさんの頭に浮かんだのは「なぜ、誰かの子どもを勝手に撮るのか」という疑問と怒り。思わず、不審者にこう叫んだそうです。
「とるなーーーー!!!」
…その怒声に驚いたのか、男はそそくさとその場を離れていったといいます。
「他のお母さんたちもざわついてました。『やっぱり変な人だったんですね』と声をかけてくれた方もいて…。防げて良かったと思う一方、こんな怖いことが日常の風景の中で起こるんだと痛感しました」と、Tさんは語られました。
公共の場での撮影が即“違法”と断定されるわけではありませんが、子どもが映ってしまう場合、親の許可なく撮影を行うのは非常にセンシティブな行為。ましてや、何の関係もない大人がカメラを向けていたとなれば、保護者としては見過ごせないはずです。
Tさんは公園での出来事を振り返り、「今思えば、あの人に話しかけたり、場合によっては警察に行っても良かったと思います。しかしあのときは自分も精一杯で…。次にああいった不審者を見かけたときは、臆さず行動しようと思っています。
この一件で、妻が子どもの写真をSNSに上げるのを控えている理由がよくわかりました。一人でこそこそ公園に赴いてでも、子ども達の写真がほしい不審者が存在すると知って…普段から『変だな』と思ったら声に出す勇気も必要だと思いました」と締めくくりました。
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便利な時代になった一方で、カメラの小型化やスマホの普及などにより、誰でも格段に撮影がしやすくなっています。そんな今だからこそ、子どもの安全は、大人たちの小さな気づきと行動に支えられています。
子どもが安心して遊べる社会を守るには、「もしかして」を見逃さない目線と、「まさか」のときに動ける勇気が必要でしょう。
あの日の「とるなーーーー!!!」という叫びは、トラブルを未然に防ぐ一手となった…Tさんはそう信じています。
【出典】
▽弁護士JPニュース
「撮影罪」施行から1年も“盗撮被害”は増加の一途…専門家が指摘する「卑劣な犯行」が減らない“根本的要因”
https://www.ben54.jp/news/1349
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