父の思い出が詰まった大好きな車 免許がない女子高生と強力な相棒が出会った 青春アウトドアストーリーの幕が開く【漫画】

海川 まこと 海川 まこと

みなさんは「車中泊」をした経験はあるでしょうか。漫画家のたびれこさんが手がける『ベイビー車中ハッカーズ』は、2人の女子高生による車中泊を通した“青春アウトドアストーリー”が描かれた作品です。現在ウルトラジャンプ(集英社)にて連載中の同作は、以前X(旧Twitter)に第1話が投稿されると、5000を超える「いいね」が寄せられています。

車中泊ライフが始まったきっかけは“ちょっとしたハプニング”

幼い頃、風景カメラマンだった父に車で各地に連れまわされ、何度も車中泊を経験していた16歳の女子高生・夜凪富士(よなぎふじ)。5年前に父が他界した後、富士は自宅の庭に残された車を自室のように飾り、安らぎの場所として活用していました。

高校で多くの同級生が騒がしく話す空間を「息苦しい」と思っていた富士は、下校後に車の中でコーヒーを淹れ、至福のひと時を満喫するのを日課としていたのです。そんな富士は、自宅の庭だけでなく好きな場所で自由に車中泊をしたいと常に思っています。しかし、まだ16歳なので、車の運転免許を持つことができませんでした。

富士が車内で安らいでいると、そこに突如ホースを持ったクラスメイトの一ノ瀬朝日(いちのせあさひ)が、車のバックドアを開けて現れます。通りすがりに富士の車を見た朝日は、コーヒーを淹れた際に出た湯気を煙が車内に充満していると勘違いし、火事だと思って慌てて火を消しにきたのです。

この出来事をきっかけに、朝日は富士がくつろぐ車内に入って2人で会話をすることになります。明るく積極的に富士に話しかける朝日に気後れしていた富士は、車中泊を趣味としていることもどうせ朝日には理解してもらえないと思っていました。しかし話していると、富士が車の中で安らぐことを、朝日は「秘密基地ってわけだ」と理解を示します。

そんな会話をしていると、突然朝日のお腹から空腹を知らせる「ぐりょりょりょ」という音が鳴り、富士は朝日のために食事の用意をしはじめるのでした。

ポータブル電源と電気コンロ、フライパンを使って車内で調理を始める富士は、分厚いベーコンを焼き、それをパンでサンドしながら火を加え続けます。そこにチーズを加えて「カリカリトロ~リWチーズのベーコンサンド」を完成させると、富士と朝日は2人で食事を始めるのでした。

楽しい食事の後、2人は再び車中泊の話を続けます。富士に車中泊の魅力を教え込まれた朝日は「私も連れてってよ」と、車中泊を楽しみたい様子です。しかし、車の運転免許を持っていない富士は、自宅の庭でしか車中泊を楽しめないことを朝日に伝えます。

富士の言葉に朝日は落胆すると思いきや、「免許あります!!」とスクールバッグから免許証を取り出しながら言います。この瞬間から2人の車中泊ライフが始まるのでした。

読者からは「車中泊への憧れが一気に増した」「ザ・青春って感じでワクワクした」などの反響が。そこで作者のたびれこさんに、同作を描いたきっかけについて話を聞きました。

車中泊を趣味にしている作者のたびれこさん

―同作を描いたきっかけを教えてください。

もともと部屋をDIYでアップデートしていくのが趣味だったので、車内を同じように変えていく車中泊に興味を持ちました。車中泊を趣味にし始めた頃、すぐに漫画にしたらおもしろいのでは?と思ったのがきっかけです。

―第1話の中で、特にお気に入りの場面があれば、理由と一緒にぜひお聞かせください。

主人公の富士が息苦しい学校から帰り、車内でコーヒーを淹れて飲むところです。一気に弛んだ顔になるところが描いてても「わかる〜」となるので。

―作中では“車中泊”の様子が描かれていますが、たびれこさんは車中泊のご経験があるのでしょうか?

車中泊を趣味にしています。1巻収録の机は私が車内に作っている机そのままです。また、車内で漫画のプロットを考えることも多いです。

―読者にメッセージをお願いいたします。

読んでくださりありがとうございます!!これから2人の世界がどんどん広がるよう見守ってくださいますと嬉しいです!よろしくお願いします!!

<たびれこさん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/tabbyrecords123
▽『ベイビー車中ハッカーズ』をヤンジャン!で読む
https://ynjn.jp/title/16787
▽『ベイビー車中ハッカーズ』(集英社コミック公式S-MANGA)
https://www.s-manga.net/items/contents.html?isbn=978-4-08-893559-1

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