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繁殖場で生まれたマルチーズの子犬 動脈管開存症のため販売不可に 小さな命の未来のために獣医師は難手術に挑んだ

松田 義人 松田 義人

長崎県のとある繁殖場で、マルチーズの子犬、ふうちゃんが生まれました。本来であれば「商品」としてペットショップに卸されるのですが、この子犬はそうはなりませんでした。

なぜならば、生まれながらにして心臓に動脈管開存症(以下、PDA)という病気を抱えていたからです。

PDAは生後数カ月以内の手術で完治も期待できる

PDAとはワンコの先天性心疾患の中でも発生する頻度が高く、特徴的な心雑音が認められるもの。早期の治療が必要です。

特にマルチーズ、ポメラニアン、トイプードルなどの小型犬種によくみられることから、遺伝が関係するとも言われています。

一方、生後数カ月以内のできるだけ早い時期に外科手術をすることで、完治も期待できる疾患です。そのため、ブリーダーの元からできるだけ早く保護し、適切な手術を実施してあげる必要があります。この事情を知った長崎県の保護団体は、懇意にしている福岡県のボランティアチーム、わんにゃんレスキューはぴねすに相談。ふうちゃんははぴねすに保護されることになりました。

ふうちゃんの犬生が好転し始めた

保護当初のふうちゃんはまだ生まれて間もなく、その小さな体で手術に挑むのは身体的な負担が大きいため、しばらくは成長を待つことにしました。

そして、生後4カ月となり、体重も1.3kgまで増えたことで、心臓手術に挑むことに。ただし、この間ふうちゃんは一度肺炎を患った影響で血管が膠着しており、通常の子犬の手術よりも難易度がかなり高いものでした。

しかし、心臓の権威である獣医師たちもまた、ふうちゃんの小さな命とその未来、そして団体の思いに心を寄せてくれ難しい手術に挑んでくれました。

結果、手術は無事成功。ゆくゆくは根治が望めるため、薬を飲む必要もなくなり、健康な生活を送ることができるようになります。ここでふうちゃんの犬生が良いほうに転がり始めました。

手術を終え改めて幸せを目指すことに

しばらくの間、ふうちゃんは預かりボランティアさんの家で術後ケアを受けながら過ごしていました。精神面でも全く問題なく、人間を前に甘えたり、先住犬と一緒に遊んだり、笑顔を浮かべたりするようにもなりました。

そして、体調が安定したところで団体ではふうちゃんの里親募集をスタート。保護から手術に至るまでのプロセスはかなり大変なものではありましたが、ここで幸せを目指すリスタートとなりました。

小さな体で大変な手術を乗り越えたふうちゃんなので、これから先もきっと自らの幸せを掴んでくれることでしょう。1日も早くふうちゃんにピッタリの里親さんとの縁が結ばれると良いなと思いました。

わんにゃんレスキューはぴねす
http://happines-rescue.com/

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