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車の奥に子猫が…手を伸ばすと道路へ飛び出し「取り逃がしたら一生の後悔」母娘タッグで挑んだ懸命の捕獲劇

渡辺 晴子 渡辺 晴子

「子猫がずっと鳴いている」「母猫はいないみたい」

そんな連絡を受け、保護猫活動を行う「あくのあ」さん(@aqunoa33)が現場へ駆け付けたのは、ある日の夕方でした。駐車場のどこかから聞こえる小さな鳴き声。ところが近づくと鳴き止んでしまい、どの車にいるのか特定するだけでも、ひと苦労だったといいます。

ようやく1台の車を突き止めたものの、車体の下や隙間をのぞいても子猫の姿は見当たりません。そこで娘さんが車の下に潜り込み、ようやく子猫を発見しました。

しかし、子猫がいたのは車の裏側の入り組んだ場所。手を伸ばしても届かず、しっぽに触れるのがやっとだったそうです。

「後ろから追えば道路に…」母娘で挟み撃ち

救出作業は、思わぬ展開を迎えます。

「悪戦苦闘していると、子猫がピョンと飛び降りて走って逃げました」

ところが、子猫が向かった先には車通りの多い道路がありました。後ろから追えば、そのまま道路へ飛び出してしまうかもしれない…。

あくのあさんは急いで建物の反対側へ回り込み、道路側から子猫を追い込みます。幅約2メートルの通路を挟み、駐車場側には娘さん、道路側には「あくのあ」さん。子猫は2人の間を何度も行ったり来たりしながら、必死に逃げ回っていたといいます。

「私側の隙間をすり抜けられたら、道路に出てしまいます」

そこで「あくのあ」さんは、とっさに手に持っていたライト付きの携帯電話をコンクリートに打ち付けて音を出し、子猫が道路側へ向かわないよう誘導しました。そして、最後は娘さんが無事に捕獲。洗濯ネットに入れて保護することができました。

「子猫は観念したのか、疲れたのか、それとも安心したのか、じっとしていました」

保護された子猫は生後1カ月ほどで、まだ母乳を飲んでいてもおかしくない大きさだったそうです。自宅へ連れ帰り、まずは子猫用フードを与えてみると、夢中になって食べ始めました。

「お腹が空いていたんだと思います。こんなに小さな子を取り逃したら、一生の後悔です。本当に助かってよかったです」

6月は“猫の車入り込みトラブル”が急増

今回の投稿には、「無事に保護できてよかった」「娘さんとの連携プレーがすごい」「小さな命を救ってくださり、ありがとうございます」など、多くのコメントが寄せられました。

実は、こうしたトラブルは決して珍しいものではありません。

JAFによると、2025年6月に「エンジンルームに猫が入り込んだ」として寄せられたロードサービス要請は全国で402件。11月の83件と比べると約4.8倍に上ります。

冬場に多いイメージがありますが、春生まれの子猫が活発に動き始める6月も、注意が必要な時期なのです。

「乗車前の1〜2分を命のために使って」

今回の経験を通じ、「あくのあ」さんはドライバーに向けて「車に乗る前に猫の存在を意識してほしい」と呼びかけています。

かつてはボンネットを叩いて猫に知らせる「猫バンバン」が広く推奨されていましたが、最近では「強く叩くと驚いた猫が、さらに奥へ入り込んでしまう可能性がある」との指摘もあり、ボンネットを開けて目視確認する方法を勧める声もあるそうです。

一方で、毎回ボンネットを開けて確認するのは現実的に難しい場合もあります。そのため「あくのあ」さん自身は、車の周囲を1周しながら車体を軽くコンコンと叩き、車の下やタイヤ周辺、ホイールハウス、車体の陰などを確認するよう心掛けているといいます。

また、乗車後もすぐにエンジンをかけず、猫が移動する時間を与えるために少し待つことを実践。さらに、エンジン始動後に猫が飛び出してくるケースもあるため、すぐに発進せず周囲を確認してから、ゆっくり動き出してほしいと話します。

ただし、今回保護した子猫については「軽く叩いても出てこなかったかもしれない。エンジンをかけたときに、初めて飛び出した可能性もある」と振り返ります。正解が1つではないからこそ、「猫が潜んでいるかもしれない」という意識を持つこと自体が大切なのだと感じているそうです。

「車の裏側やエンジンルームからの猫の救出は、よく聞きます。エンジンをかけられて大けがをした猫もいました」

そして最後に、こんな言葉で注意を呼びかけました。

「お出かけ前の1〜2分の時間を、命を守るために使ってあげてほしいです。リモートキーやアプリでのエンジンスタートは、猫が逃げる時間を与えないので、やめていただきたいです」

わずか数分の確認が、小さな命を救うことにつながるかもしれません。

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