40代女性に…高校生息子「話聞いてくれない」夫「しゃべり方がきつい」 “更年期”を学生向けに「母に寄り添いたい」「将来は自分も」と反響、動画1300万回再生

太田 真弓 太田 真弓

「わたしたちも更年期ってなるものなので知っておいた方がいいと思うし、お母さんの更年期も支えられるのではないかと思う」 
「自分が男性ということもあり理解しづらい部分があるなと思っていたけど、『こういう症状が出てくるんだ』とわかり、遠い話題ではなく、ちゃんと理解していかないといけないなと思った」 
「母親が大変な思いをしているのでもっと寄り添いたいと思った」
「将来自分も必ず通る道なので、ホルモンバランスや具体的な症状が知れて勉強になった」
…実はこちら、すべて学生の声。

株式会社ファンケル(神奈川県横浜市)が学生を対象に「更年期」について出張講座を行った際の感想です。更年期に悩む母親とその気持ちを知った子どもとの向き合いは難しい側面もあり、実際に悩む母と子が悩みについて語るドキュメンタリー動画「MENOPAUSE LESSON(メノポーズ レッスン)」は、1300万回以上再生され話題に。 

“メノポーズ”とは、閉経・更年期を指す言葉。更年期は、閉経の時期を挟んだ前後10年間のことで、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量がゆらぎ、不調の数は100種類以上ともいわれています。 

例えば、めまい、のぼせ、ほてり、発汗、動悸、頭痛、耳鳴り、不眠、イライラ、無気力、不安感、落ち込み、肌の乾燥、手足のしびれ、内臓脂肪増加、むくみ、冷え、頻尿、尿漏れ、月経異常…など。症状は一人ひとり異なり、複数の不調を感じることもしばしば。理解されがたく、パートナーや家族などにも相談できず、不安や悩みを抱え込んでしまう人も少なくないそうです。 

そこで、更年期に向き合いながらファンケルで働くAさん(50代前半)と、更年期の認知や理解を広く社会に啓発する取り組みを進める広告宣伝部の担当者に話を聞きました。

「夫から『しゃべり方がきつくなった』と言われ…」

――更年期について、意識したきっかけは?

44歳の時にガクっと老化したような溝のようなときがありました。翌年に子宮筋腫があることが分かり、その後、積極的な治療・手術を行いました。その時に一時的にホルモンを止め、その際に夫から「気づいていないかもしれないけど、しゃべり方がとてもきつくなった」と言われました。

自分では全く自覚していなかったので、とてもびっくりしたのと同時に、ホルモンは人を変えるのだなと思いました。

――実際に、更年期かどうかクリニックで確認されたのは?

49歳の夏頃に、ファンケルの会員誌で女性ホルモンがテーマの記事制作を担当しました。その準備のために色々な情報を見ていたところ、雑誌で「穏やかだった人が豹変した」というような記述を見て「これは大変!」と思いました。

そして、「自分自身を知ることも大切」と思い、せっかく記事を担当するのだから…と比較的軽い気持ちで婦人科でホルモン値をはかったところ、脳から「女性ホルモン出せ」と命令する物質が高い数値で出ていました。つまり、更年期真っただ中だったのです。

――お仕事柄ご存じであっても、自分ごとは気づきづらいものなのですね。

その後すぐ、仕事が過重になるのと並行する感じで、冬に耳鳴りが起きたり、気候の変化に体調が影響されやすくなりました。そこで、婦人科の先生に、漢方やホルモン補充のテープを利用したいと伝えました。また、サプリメントも並行して摂っていました。 

――家族からは何か?

息子から「最近僕の話を聞いてもらえないの、更年期じゃない?」と言われました。

更年期世代は思春期の子供と、ゆらぎ同士でぶつかることがあるので、「感情は体の変化からの影響があること」「成長期のホルモン変動が激しい時期は特に身体の変化からの影響で感情的になりやすいこと」「子どもだけではなくて大人にもそういった変動の時期があること」を伝えるきっかけとなりました。

当時息子は高校生で、「更年期」という言葉だけを知っていた感じでしたが、話題になった動画「メノポーズレッスン」を一緒に見て、「こういうの、もっと昔から知っていたら、違ったかもね」とポツっと言ったのです。 

イライラするのは人格ではなくて、誰もが身体のゆらぎにも関連していると思うと、相手への理解が変わることもあるかなと思いました。

――症状への対処法や知識はどういったところから?

更年期をテーマにした雑誌を見ていたり、仕事柄どういう対処法があるのかということは知っていました。積極的な治療方法が色々あり、ホルモン補充の治療に関しても本人の状況に応じてパターンがさまざまあること、ホルモンを補充をすることで変化が起きるといった体験談を見聞きしていました。

自分自身でも「ああ、これはもう積極的治療を行ったほうが良いだろう」と判断したので、自らホルモンテープの希望を医師に伝えました。テープを貼り忘れると身体がぐったりする症状などが出てきてしまうことを体感しておりますので、今の自分には欠かせないものとなっています。

――最も辛かった症状とその対処法は?

気候の変化による影響が、症状としては一番大きく感じます。不調の種類でいうと【疲れやすい】【おっくう】などです。今は動きたくないという気持ちが増して、パフォーマンスが凄く下がる気がします。

また、不眠で眠りが浅いと、急に眠気がくるときもあり、おっくうな状況と絡み合っている感じです。しかし、動けなくなるほどの不調は、ホルモンテープでだいぶ緩和されました。

不眠に関しては、医師によると加齢に伴う耳鳴りが関係しているとのことでした。起きている不調が「更年期にまつわるもの」と分かると、気持ち的に揺り動かされなくなりました。

そして、大豆を含む食品をとっていくなど、長期的な穏やかなケアとして大事だと思っています。あとは、気力というところでは、女性であれば、肌調子がいいとか、見た目を装うことや、美味しいものを食べることなどで気持ちが晴れることもあるので、複合的にケアしたいと思っています。 

――クリニックを選んだ基準も参考に教えていただければ。

クリニックには、30代のころから定期的に通っています。年齢に応じた悩みの受付があり、「更年期相談」という項目もあり、更年期のケアについて、相談しながら処方を変えてもらったり、定期的に卵巣の検査などもしています。子宮筋腫を発見したのもクリニックでした。 

大きい病院に行ったときもありますが、それは大きな治療のときで、かかりつけ医としては、身近ですぐ行けるところで、相談や処方をさっとしてくれるところが通いやすいです。

――最後に、更年期について知ってもらうための活動についての思いをお聞かせください。

「未病改善」を多くの女性に実践していただくため、神奈川県の「ME-BYOスタイルアンバサダー」としての活動にも取り組んでいます。その一環として、先日、銀座スクエアで『女性の心身のゆらぎに寄り添うセミナー』を開催しました。そこで学んだ「更年期以降の健康ケアはホルモンマネジメント」という言葉がとても印象に残っています。

50代にとって、基本的に必要なケアであり、それを過ぎると今度は生活習慣系のケアへと移行していくかもしれませんが、変化する身体への健康知識を得ることや、先手の対応が大切だなと感じています。 

更年期は「目を背けていればなくなるもの」というよりは、「しっかりと状況を受け止めて対処すること」が大事だと思っています。時折、お客様から「もっと前に知っていれば良かった」というお声をいただくことがあります。人生100年時代の今、ファンケルはお客様に伴走して「健やかな暮らし」を叶えたいと思っている会社です。その一員として「知ってほしい大切なこと」を伝えていく活動をしていけたらと思っています。 

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