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人気だった学生ガイドが人手不足…観光客や修学旅行生に京都の名所を案内、仲間募集「全力で打ち込もう」

京都新聞社 京都新聞社

 観光客や修学旅行生に古都の名所を案内する大学生の団体「京都学生ガイド協会」(京都市上京区)が、会員数減少に悩まされている。知識や経験に裏打ちされたガイドが好評だが、人数不足では受けられる仕事の数に影響するためだ。会員は「ガイドに正解はなく奥深い。全力で打ち込める」とアピールして仲間を募っている。

 協会は発足65年目と長い歴史がある。京都の大学に通う学生が研修を重ねてガイドとなり、観光シーズンに京都や奈良のバス車内や名所で活躍してきた。市と市観光協会主催の「京の冬の旅」では、特別公開された寺院の専属ガイドも務める。

 現在は1~4年生の28人で活動。運営や後輩指導など全てに学生が責任を持つ「学生自治」が伝統だ。一時は入会を制限するほどの人気があったが、新型コロナウイルス禍が始まった2020年からは、入会者が1桁の年が続いている。

 1月下旬、京の冬の旅に合わせて公開されている北区の地蔵院(椿(つばき)寺)での業務。「こちらの五色八重散椿(ごしきやえちりつばき)は花びらが1枚ずつ散ることから縁起がいいとされ、武士にも愛されておりました」。会長の京都芸術大2年牧野莉玖さん(20)の話に、参拝者が聞き入った。

 学生たちは交代で説明に立ち、写真撮影のマナーや参拝者の靴の取り間違えにも気を配る。伊藤史郎住職(71)は「お堂のことは全て任せており、とても丁寧な説明が好評です」と信頼を寄せる。

 ガイドとして独り立ちするまでには、座学に加えバスや実地でのガイドなど約1年間みっちり研修がある。そのため、これまでは入会対象を1年生のみとしていたが、24年からは2年生も受け入れてガイド不足に対応している。

 渉外担当の京都大2年並木颯良さん(20)は「自分の話だけで人を楽しませることができ、ガイドを突き詰めれば聞く人の反応も良くなる」とやりがいを語る。牧野会長も「歴史の得意不得意ではなく、何かに全力で打ち込みたい人に向いている」と勧める。

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