矯正歯科サービスを運営する会社の広告チラシが、ヤマト運輸が受取人が不在だった場合に投函する「不在連絡票」に酷似していると、物議を醸している。ヤマト運輸側は「弊社の『ご不在連絡票』と誤認させる内容」として、運営会社に配布中止を申し入れ。取材に対し、運営会社も酷似を認め、謝罪した。
「何か頼んだっけ?」と思い込み…
発端は、東京都在住の男性が郵便物に入っていた矯正歯科サービス会社「Oh my teeth(東京都)」のチラシをX上に投稿したこと。
「通院ご不要連絡票」と書かれたチラシは、ヤマト運輸の「不在連絡票」と色遣いや配置、文言などのフォーマットがそっくり。宛名は「過去に歯科矯正をほんの少しでも検討したことがあるみな様」となっていた。ヤマト運輸が商標登録している「宅急便」という言葉も含まれていた。
男性はチラシの写真とともに「これよく見たら広告でした、本当に迷惑」と投稿。デザインから不在連絡票だと思い込み、「何か頼んだっけ?」と思考を巡らせたという。受取日時を指定すべく携帯を取り出した際、宛先に違和感があり、広告チラシだと気付いたという。男性は「ヤマト運輸がこれまで築いてきた実績を勝手に活用した手法だと思います」と話した。
ヤマト運輸「無断利用は一切認めていない」
ヤマト運輸の広報担当者によると、不在連絡票のデザインに似せたチラシの存在はSNSで把握したといい、「弊社の登録商標や知的財産の無断利用は一切認めておりません」とコメントした。
Oh my teethの担当者は「今回、弊社広告によりご迷惑お掛けして申し訳ありません」と謝罪。既にチラシの配布は中止しているという。
Oh my teethの過去のインタビューによると、少なくとも3年前から不在連絡票に酷似したチラシを使用していたとみられる。理由や経緯については「お答えしかねる」とした。