今週放送中の連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合ほか)第19週「母親って何なん?」。結(橋本環奈)が管理栄養士として務める大阪新淀川記念病院に、高校生の麻利絵(桧山ありす)が入院してきた。彼女は「かわいい」に固執するあまり過度なダイエットに走り、それが原因で体調を崩してしまったのだ。結の説得をよそに、麻利絵は頑なに食事療法を拒否しているが、どうやらその一因は母娘関係にありそうだ。
一方、結の母・愛子は長らく続けてきたブログ「うちのギャルさん」を閉鎖する決意をした。居酒屋「きよし」で愛子は結と歩(仲里依紗)と語らいながら、自らの半生を振り返る。父親に勘当されて名古屋を飛び出して以来、生まれ故郷のことを忘れようと名古屋弁も封印してきたことを訥々と語り出した愛子。「死ぬ前にお父ちゃんとお母ちゃんと仲直りすればよかったなって」と後悔を語っていることから、愛子の両親はすでに他界していると思われる。
「かつては名古屋のスケバンで、家出して神戸で聖人(北村有起哉)と出会って結婚した」ということしかわかっていなかった愛子のバックグラウンド。少しずつ明らかになってきた彼女の来し方について、制作統括の宇佐川隆史さんと真鍋斎さんに聞いた。
愛子と聖人の結婚のなれそめにまつわる視聴者の予想に「純粋に感動しました」
今後、愛子の過去が明かされることはあるのだろうか。真鍋さんは、「『お楽しみに』ではあるのですが、過去を解き明かすというよりは、生い立ちからくる愛子の思いが終盤に向けてしっかりと描かれていきます」と語る。
また宇佐川さんは、愛子と聖人の結婚のなれそめについて「あの生真面目な聖人が、愛子をナンパして同棲していきなり歩を『授かり婚』とは考えにくい」「そのあたりは今後描かれるのか」という主旨の感想がSNSで散見されたことについて、こう返答した。
「ちなみに脚本家の根本ノンジさんをはじめ、我々制作陣の中には、俳優さんの役作りの一助にしてもらうための『裏設定』があります。名古屋から家出してきて泊まる場所のない愛子を、聖人は純粋な親切心から、『人助け』としてアパートに泊めてあげていた。あの聖人のことですから、『同居』が始まってから1カ月経っても、何もモーションなどかけてこない。愛子は『こんなに誠実な人は見たことない』と感動して、そこに惚れたという設定です」
「もちろんこれはシーンとしては描いていないので、視聴者の皆さんにはお好きなように想像していただければと思っていたのですが、この件は特に皆さんがSNSで思い思いに予想されていて、純粋に感動しました。そのどれもが聖人らしくもあり、今では皆さんが予測したすべてが正解だと思っています(笑)。こうして皆さんと一緒に楽しんだり、盛り上げていただけていることを、本当に心から嬉しく思います」
明日放送の第95回では、麻利絵が母親に抱いていた感情が明らかに。そして、花(宮崎莉里沙)の母親である結の思いも描かれる。