電車の中で困っていそうな人を見かけたとき、「声をかけるべきか、それともそっとしておくべきか」と迷った経験はありませんか。親切のつもりが相手の負担になってしまうかもしれないという葛藤を抱えながらも、一歩踏み出そうとする気持ちを描いたパパコマさんの作品が、Instagramで注目を集めています。
それは、とある日の仕事帰り。混雑した電車の中で、作者はたまに杖をついた方と乗り合わせるといいます。おそらく目が不自由なその方に会うたび作者は「どこかにつかまりますか?」と声をかけるものの、返ってくるのは決まって「大丈夫です」という言葉でした。
「お節介なのではないか」と悩みながらも作者はその人のことが気になってしまい、声をかけ続けていたのです。話しかけ方が悪いのかもしれないと考える一方で、いきなり腕をつかむのも違うと感じ、どう接するべきか思い悩みます。
そこで作者は、杖の方の肩を軽く叩き、ゆっくりと言葉をかけるように工夫しました。するとそのとき初めて、「お願いします」と少しはにかみながら返事があったといいます。その反応がとても嬉しく、「自分の気持ちが伝わった」と感じた瞬間でした。
それからは次に会ったときも、そのまた次に会ったときも「お願いします」と言って杖の方は作者に腕を差し出してくれるようになりました。そしてある日、杖の方の言葉は「お願いします」から「ありがとうございます」へと変わります。
お礼を言われたくて始めた行動ではなかったものの、「本当は嫌がられていたのではないか」という不安もあった作者にとって、その一言は大きな安心につながったのでした。
読者からは「声を掛けるのは勇気がいりますよね。素晴らしいです。」や「その勇気と優しさに、ただただ尊敬いたします。」など、作者への称賛の声が多くあがっています。そんな同作について、作者のパパコマさんに詳しく話を聞きました。
何度も声をかけ続けた本当の理由
ー何度か声をかけても断られていたとのことですが、そのときどのような気持ちでしたか?
断られたとき、「もしからしたら私は怖がられてる?」と思いました。なので声のかけ方を変えてみようと思いました。何度も声をかけたのは「前回は助けが不要だったけど、今日は困っているかもしれない」と思ったので会う度に一応声をかけさせてもらっていました。
ー肩を優しく叩いてからゆっくり話しかけるという方法は、何かで見たり聞いたりしたことを参考にされたのでしょうか?
ネットで調べて見たものなので、正解かは分かりませんでしたが、失礼のないように接しようと気をつけました。
ー「お願いします」と初めて受け入れてもらえたとき、どのような気持ちになりましたか?
安心しました。断られた後も揺れでふらついたりしていたのを見ていたので、掴まる場所を教えられて良かったと思いました。その後の「ありがとうございます」と言われたときは正直とても嬉しかったです。自分の存在を認められた感じになりました。
<パパコマさん関連情報>
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▽ブログ『パパコマの、カルタとマンガと、時々妻。』
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▽書籍『僕らの育児が変わる時』(楽天ブックス)
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