世間ではパワハラやカスハラなどの被害がニュースとなっていますが、職場での「上司と部下」の関係は、仕事の進め方だけでなく、成長やモチベーションにも大きく影響します。漫画家吉谷光平さん(@kakikurage)が投稿している『上司を上手に使う簡単な方法』はサイコミにて連載している『今時の若いモンは』の一部で、毅然としながらも思い悩む主人公・麦田さんの姿が描かれています。
「上司を上手に使う簡単な方法」は、新入社員が上司の麦田に「本当にすみませんでした」と深々と謝るシーンから始まります。新入社員はバーベキューの途中で買い出しに行ったものの、途中で車が脱輪し、スーパーでは目当ての商品が品切れなどの不運に見舞われ、戻った頃にはバーベキューが終わってしまっていたのです。
この経緯を麦田に怒られるのを覚悟で報告したものの、麦田の反応は意外なもので「言われたことを最後までやり遂げたのは偉い!」と新入社員をまず評価します。そして優しく助言し、部下が気負いすぎない働き方をアドバイスしました。「責任も上に投げちゃう」という上司らしからぬ発言に新入社員は驚いた様子も描かれています。
その一方で、麦田は内心「本当にうまく伝えられたのかな?」と考え込む場面も描かれ、「連絡してほしい」「真面目か!」と思う気持ちと、部下の成長を支えるための配慮との葛藤が垣間見えます。
帰宅後、麦田は部下の指導について改めて調べると、そこには成長を促すためには「一方的ではなく、目的を一緒に作ることが大切」という一文が書かれていました。これを見た麦田が「そんな都合良く新人みんなにピッタリの仕事なんてあるかー!!!」と悩む姿も描かれ、部下を育てる上でのリアルな苦労が感じられる内容になっています。
また同作の投稿には「自分もこれは上司から口酸っぱく言われているな、どんな小さなことでも連絡してくれってのは」「新卒で入社した会社で上司に一番に言われたな」という部下目線のコメントもありました。そこで同作について、作者である吉谷光平さんに詳しく話を聞きました。
-最初の頃は頼りなかった麦田さんが部下に処世術を教えている姿を微笑ましく読んでいますが、連載当初から麦田さんが今の立場になるようなストーリーだったのですか?
正直な話、こんなに続くと思っていなくて連載当初は全く考えていませんでした。読者の皆様、本当にありがとうございます。
1巻の時はとにかく目の前しか考えられず、2巻くらいで「麦田の成長物語にしよう」と考えました。そうこうしているうちに気づけば自分も30歳を超え、子供までいる状態になっていました。 「今どきの若いモンは」と言う側になってしまいましたね。
そうなってふと、「今のアラサーはどう若手と接しているのだろう」「友人も仕事仲間もアラサーだ」「私も上司になって、難しく思うことは多々あるな」「麦田もそうか」「麦田も当然、失敗するよな~」などと考えて今のストーリーになりました。なので今は「麦田が石沢課長のようになるまでの物語」として作品を描いています。
-もし吉谷さん自身が麦田さんの立場であれば、部下にどのように接していきますか?
私も日々悩んでいます。本を読んだり人に聞いたり・・・麦田と同じような感じになっていますね(笑)。
-サラリーマンの処世術が多く作中に含まれていますが、取材などはしているのでしょうか?
取材はできる限りしています。至らない点も多々ありますし、漫画なので脚色も多いですが、特に感情面はリアルな声が入ると良いものになると感じています。そして普通に生きていたら絶対に知れない世界の話をたくさん聞けて、漫画のための取材なのですが本当に楽しいです。どんな人にも、どんな世界にも濃厚な世界に一つだけのドラマがあると実感します。ご協力していただいている皆様、本当にありがとうございます!
<吉谷光平さん関連情報>
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▽今どきの若いモンは 連載サイト(サイコミ)
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