インバウンドにも人気!招き猫800体の魅力を「世界に発信」、絵付け体験も 岡山の「招き猫美術館」30周年

山陽新聞社 山陽新聞社

 縁起物の招き猫をコレクションする「招き猫美術館」(岡山市北区金山寺)が10月、開館30周年を迎えた。多彩な約800体の展示や素焼きの絵付け体験が人気を集めている。年間の入館者数は2万人で、開館当初の10倍に増えた。今夏からは定休日をなくして年中無休で観光客らを「招く」。記念イベントとして岡山県内外のアーティストによる絵付け作品展が29日まで開かれている。

 美術館は1994年10月10日、虫明修館長(57)の父で建築デザイナーの昭夫さん(82)が、趣味で集めた招き猫で地域のにぎわいを創出しようと金山寺(同所)境内の蔵に開設。99年に近くの古民家に移転し、現在は展示室やショップを備える木造2階の本館、絵付け体験ができる平屋の別館がある。木や陶、石などで作られた全国各地の大小の招き猫を収蔵する。

 2006年に始めた絵付け体験は、家族連れやインバウンド(訪日客)など年間8000人が楽しむ人気企画となった。

 今回の作品展では、絵付け体験用の素焼き(高さ15.5センチ)を画家ら30人がデザイン。関野智子さん=岡山県西粟倉村=は白い油彩絵の具を重ねて石材のような質感を再現し、藤本理恵子さん=岡山市=は縁起の良い菊柄や菱文様を描いた。1体ごとに異なる表情も見どころだ。

 虫明館長と、妹で同館学芸員の比斗子さん(52)は「30年で知名度が定着し、近年は欧米諸国からの訪日客も増えている。招き猫の魅力を世界に発信する思いで頑張りたい」と意気込む。

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