今回ポストした「血液」の取り扱いについて、きくこさんにお話を聞いた。
ほとんどの受診者さんは「協力的」です
ーー血液の危険性について、「その通りです」と毅然とおっしゃった様子に共感の声がたくさん寄せられましたね。
「受診者の方は私がへりくだってペコペコ謝罪すると思っていたようで、『その通りです』と答えた私の言動が予想外だったのか、ぽかん…とされてました。残念ながら私の外見は気が弱く見えるようで、昔からこういうことによく遭遇するんです。だから悲しいかな、こういう敵意のある受診者さんの対応に慣れていると言えば慣れています。
でももちろん、ほとんどの受診者さんは協力的で優しい方ばかりです。そのことはぜひ追記しておいていただきたいです。むしろ少数派だから目立つんですよね……。ちなみに実際の私の中身は、フランス人の夫に『フランスにも君ほど気の強い女はいない』と言われるほどです(笑)」
ーー今回の投稿に対して、医療関係者の方々の経験談なども寄せられましたね。
「リプライの数々は私にとっても勉強になりました!また、『自分は医療の知識は全くないけど、血液を素手で触ってはいけないことくらいなんとなくわかる』という方も多く、これは日本の教育レベルがかなり高い証拠じゃないかな?なんて勝手に誇らしくなりました(笑)」
血液を含む「体液」は絶対に直接触らないで
ーー「血液」の危険性について、改めて伝えたいことはありますか?
「ポストに書いた院長の言葉がすべてなのですが……血液に限らずすべての体液には病気の感染リスクがあります。この対策を医療用語で、『スタンダードプリコーション』というのですが、この感染対策は医療者側だけでなく、むしろ受診者さん(患者さん)を守るためでもある、ということをご理解いただけたら嬉しいなあと思います」
ーー事故や怪我など、「他人の血液」に触れる可能性がある場合、気を付けるべきことはありますか?
「他人の血液にはとにかく『触れない』ことが第一優先です。やむを得ない時も、出来るだけ直接触らないよう、ビニール袋などを使うことをおすすめします。万が一血液に触ってしまったら、速やかに手を石鹸と流水で洗い、自分の手に傷などが無ければアルコール消毒も行ない、その後、必ず医療機関にかかってほしいです。早めに受診すれば対策も立てやすいです」
ーー医療機関にかかれば大丈夫ですか?
「実は、その時は平気でも、肝炎などの潜伏期間は半年以上あったりします。その検査結果を待つ間は精神的にも辛いですし、もちろん感染してしまっていたら、長い一生、ずっと治療していかなければならず、もっと辛いです。やはり基本は、『体液は直接触らない』が徹底される世の中になると良いなあと願っています」
◼︎北フランス時代のエピソードや看護師としての経験談を描いたきくこさんの絵日記ブログ「嫁激★北フランス家族」