コメディエンヌ・藤間爽子の誕生作? 映画「チャチャ」で演じた猪突猛進オタク系の眼鏡女子 目は口ほどに物を言う演技で存在感

石井 隼人 石井 隼人

コメディエンヌの爆誕だ。コミカルなキャラクターを演じるのは初、というのがウソのように。俳優の藤間爽子(30)が、映画『チャチャ』(10月11日公開)で猪突猛進オタク系眼鏡女子の心情をユーモラスに表出している。

目は口ほどに藤間爽子

“人目を気にせず好きなように生きる”をモットーに、自由気ままな日々を送るチャチャ(伊藤万理華)の奇妙奇天烈なラブストーリー。藤間は、チャチャの動向が気になって仕方がない同僚・凛を演じる。

例えば、音をミュートにしても伝わる個性。まるで感情を身体で表すパントマイムのような。クルクルとせわしなく動く藤間の目の演技は「目は口ほどに物を言う」そのものだ。

「脚本を読んだ時に思ったのは、凜ちゃんの面白味は漫画っぽさにあるということ。その場で発する台詞以上にモノローグが多いので、物事を目で追ったり、顔の表情、体のポップな動きだったり。通常での作品ではしないような表現方法を模索した印象があります」

漫画っぽさを強調するのが、個性的な黒縁の丸眼鏡。「眼鏡という一つのフィルターを通すことで、普段とは違う自分に変身できるというか、仮面をかぶっているような気持ちになる。普段とは違う自分を表現できるのが小道具としての眼鏡にありました。見た目も含めて、いつもの藤間爽子ではない別の誰かにすんなりと入っていけるアイテムでした」

そういえば、眼鏡をかけるキャラクターを演じることが多い。

「確かに元々眼鏡設定のキャラクターではないのに、衣装合わせで監督から『眼鏡を…』と言われることが多い。私の顔が物足りないから!?」

否、眼鏡というアクセントに負けない熱情がその目に宿っているからこそ、監督たちは藤間爽子という器で遊びたくなるのだろう。今回演じた凜というキャラクターも、藤間がイメージして演じたものそのままが採用されたという。

役を愛して楽しむのが一番

「セリフ以外の書かれていない部分も想像して演じるのが役者の仕事。余白をどうやって自分らしく埋めていくのか考えました。観客の皆さんに『この子、一体何者?』と思ってもらえるような愛嬌のあるキャラクター性を意識しながら凜ちゃんを愛する。役を演じる上で一番大切なのは、何よりも自分がその役を楽しむことですから」

漫画の世界から飛び出して来たかのような凜。コミカルタッチのキャラクターを演じるのは藤間にとって初というが「もうメッチャ楽しかった!」と開眼。奇しくも10月10日スタートの連続ドラマ初主演作『つづ井さん』もシュールなコメディ作。推し活女子の悲喜こもごも綴ったエッセイコミックが原作だ。

「こんなにも楽しく面白い世界に積極的に染まることが出来るとは思ってもいなかったので、まさに新たな発見。『チャチャ』『つづ井さん』ともに、自分の知られざる一面を教えてくれた大切な作品です」と手応えを感じている。

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