2023年9月、神奈川県動物愛護センターに収容されたダックスフンドのアルトくん。推定年齢8歳ほど、きれいな顔のワンコです。
後に行き場を失ったワンコを保護する団体、アイドッグ・レスキュー隊がアルトくんを引き出し、お世話することになりました。
アルトくんが元いた環境の詳細は明らかになっていませんが、極めておっとりマイペースなお利口さん。そのルックスと合わせて、非の打ちどころのない性格なのですが、唯一びっくりするのがその寝顔。
まるでノックアウトされたかのように白目を剥いてグーグー寝ており、そのギャップもまた魅力でした。
おっとりマイペース。ちょっとやそっとじゃ動じない大物感
団体と提携する預かりボランティアさんの家に迎え入れられたアルトくんは当初から、独特のこだわりとマイペースぶりを発揮。
預かりボランティアさんが使っていた座椅子を気に入ってしまい、何回どかされても、すぐにこの座椅子に。最終的にはアルトくんの専用椅子になりました。
また、テレビの音、掃除機の音にも動じないのがアルトくんの特長。大物感を漂わせるワンコでもありました。
睾丸のすぐ脇に開いた穴から排泄
ただし、体にはいくつかの問題がありました。睾丸のすぐ脇に穴が空いており、そこからおしっこが漏れていること。慌てた預かりボランティアさんは複数の動物病院へ連れていきましたが、「以前、何らかの理由で排泄が困難となり、手術によって、わざとこの位置に穴を開けた」というもの。手術の失敗やけがではないようでホッとしたものの、常時オムツをつけて過ごす必要がありました。
数カ月が経過したころ、アルトくんの右頬にしこりができ、肝臓が悪いことがわかりました。8歳にしては体が強くないアルトくんでしたが、後に検査した獣医師さんは「いや、この子はおそらく推定12〜13歳でしょう」とのこと。出自がわからないため分かりませんが、実は結構なシニア犬なのかもしれません。
獣医師さんは「これらの持病の治療を行っても回復することはない」とも言います。
その言葉に預かりボランティアさんは悩みました。ハイシニアで改善が期待できない持病だったとしても、アルトくんには幸せになる権利があります。どんな状態でも、アルトくんがいつか「本当の家族」と出会えることに期待し、献身的に世話を続けることにしました。
最後まで諦めず「本当の家族」との出会いを待ち続ける
アルトくんは少しずつ元気を取り戻し、表情も明るくなりました。持病が根本的に治ったわけではないですが、元気になったことは何より喜ばしいことです。
できる限りのケアを受けながら出会いを待つアルトくん。1日も早く安心できる環境で、心から安心して過ごせる犬生を送ってほしいと願います。
アイドッグ・レスキュー隊
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