「レイを迎える前、妻がボランティアで行っていた保護犬施設から迎えたカニンヘンダックスのネネちゃん。
最初、妻がなぜこの子を選んだのか分からなかった。
子犬ではなく、今にも死んでしまいそうな子を。」
ブリーダーに飼われていた元繫殖犬のエピソードがInstagramで話題になりました。
投稿したのは、現在ゴールデンリトリバーのレイくん(5歳)の飼い主さん(@rei.golden)。レイくんをお迎えする6年ほど前のこと。飼い主さんの奥さんがボランティアをしていたという保護犬施設から元繁殖犬でカニンヘンダックスのネネちゃんを引き取ることになりました。ただ飼い主さんは当初、施設で働く奥さんがどうしてネネちゃんを選んだのか疑問に思ったといいます。
「妻は、平日の空いている日は全て埼玉県にある保護施設へ電車とバスに乗り2時間かけて通っておりました。その施設は、病気の犬猫なども積極的に保護している施設。私も土日に妻とボランティアに参加しました。ほとんどの犬たちは数段に重ねられたケージの中でおとなしくしていて。その中でも、ネネちゃんは丸くなり目だけを開けてこちらを見つめていました。
実はネネちゃんがシェルターへ保護された日から、妻は家でネネちゃんの話をしていました。『施設から犬を引き取ろうと思う』と妻とが言ったので、どの子を引き取るのだろうと思っていましたが…子犬ではなく、妻は最初からネネちゃんを引き取るつもりだったようです。シェルターへ保護されて数週間で我が家に来たと思います」
明日にも死んでしまうかもれしれない元繁殖犬、なぜ妻は引き取ったのか?
そしてシェルターへ保護された時、推定7歳だったというネネちゃんは、ガリガリのミイラみたいな体。繫殖犬としておりの中でひたすら帝王切開をされお腹の皮は薄くなり、子どもを産めなくなってシェルターへやって来ました。
「もともと、ネネちゃんは先天性の疾患があり、長くは生きられないとドクターから言われていたそうです。手術にも耐えられないだろうと。狭いおりで腰や足の関節も曲がっていました。明日にも死んでしまうかもしれないネネちゃんをなぜ引き取るのか理解できなかった私でしたが…家にお迎えし妻がネネちゃんに与える愛情を目の当たりにして、子犬を希望していた自分の未熟さを痛感しました。
最初は食事をほとんど取れず、また栄養は全て産まれた子供に吸われたのか、毛も抜けて床ずれでカサブタのようになっていました。さまざまなご飯を試したり、毛の生えるサプリメントを試したりして少しずつ元気になってきて。1グラム体重が増えただけでも、夫婦で喜んでおりました。このほか温泉に入れてみたり、初めてのお散歩やドッグランなどこれまでできなかったことを経験させてみたり…与える者の幸せ。優しさに触れる者の幸せ。ネネちゃんをお迎えして本当に幸せでした」
ただネネちゃんは男の人が苦手。男である飼い主さんが触ったり抱っこしたりすると、力を振り絞って離れて奥さんの元へ。飼い主さんが会社から帰宅して玄関で靴を脱いでいると、リビングから尻尾を振って見にくるものの、飼い主さんだと分かるとうなりながら戻っていったとか。
やっと幸せをつかめたが…1年で虹の橋を渡った
そんな幸せをやっとつかめ少し元気を取り戻してきたネネちゃんでしたが、飼い主さんのおうちに来てから1年で虹の橋を渡ったそうです。
「今振り返ってネネちゃんにとって一番うれしかったことはと考えると、当時いた保護猫4匹たちの生活だったのではないかと思います。普段、猫たちは新しい動物が来ると威嚇するのですが、ネネちゃんはなぜか受け入れられておりました。その中でも、一番若い雄猫のネオくんが大好きでした。ネオくんの近くにいつもいました。そして、ネオくんもネネちゃんの近くにいてくれました」
最後に飼い主さんは元繁殖犬ネネちゃんのエピソードを通じて、こう訴えます。
「シェルターでは、役目を終えた繁殖犬や遺棄された猫など行き場を失くした子たちが次から次へと運ばれてきました。全ては人間のエゴであって、この負のリサイクルを止めるためには、一人一人が考え立ち止まることが必要なのだと考えます。ペットショップへやってくる人も、動物が好きなはずです。その方々も、ネネちゃんを通じて少しだけ現実を見ていただき、何が必要なのかを『考える』きっかけになれば、ネネちゃんの存在も決して無駄ではなかったのかなと考えます。この現実を多く方々に伝え、小さな声を大きな力に変えることができたらうれしく思います」
「我が家も保護犬です。少しでも不幸な犬猫ちゃんが減りますように」
ネネちゃんに関する投稿には6万超のいいねが付いたほか、さまざまな意見や感想のコメントが寄せられています。
「泣けてしまった。我が家も保護犬です。少しでも不幸な犬猫ちゃんが減りますように。日本のペット産業が変わっていきますように」
「我が家のミニチュアダックス2匹も繁殖引退犬で保護犬カフェで出会い、我が家にお迎えしました。『与える幸せ』も、信頼の眼差しも、朝5時前からの目覚まし声も、我が家にたくさんの幸せを与えてくれています」
「いつか繁殖に使われる動物が居なくなりますように そのためには、まずは私たちがショップなどで買わないことから始まります!」
「人間だけじゃなく、犬もみんな幸せになる権利がある。短い間でも幸せを与えてくれてありがとうございました」
「我が家も繁殖引退犬を飼っていました。知り合いのブリーダーさんから歳で産めないからもう捨てると聞いて8歳くらいのパピヨンを引き取りました」
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レイくんは保護犬のネネちゃんが虹の橋を渡った後、お迎えしたワンちゃんです。「今まで小型犬、猫などは飼っていたのですが、『一度は大型犬を飼ってみたい』と考え、ブリーダーさんへ足を運び、生まれる前からレイの親を見せていただきました」という飼い主さん。さらにお迎えしてからインスタを始める中で「アニマルプロ様よりオーディションのお声がけをいただき所属しました。ミュージックビデオや企業のプロモーション、番組企画などに参加させていただいております。櫻坂46のミュージックビデオ撮影の時は、主役の女の子は少し犬が苦手だったようで、大変でした」と話してくれました。