2020年11月、福岡県糸島市で高齢者が亡くなり、その家がゴミ屋敷と化していたことが発覚しました。同時に多頭飼育崩壊が起きていることも判明し、39匹の猫たちが劣悪な環境に置かれていました。行政からの連絡を受けたボランティア団体や個人ボランティアが迅速に対応し、猫たちを救出しました。
恐怖に包まれた猫たち
救出された猫たちは、ひとまず狭く暗い部屋に集められ、怯えていました。彼らは新しい環境に慣れるため、それぞれのボランティアのもとで一時的に預かられることになりました。
ちまきなころんさん(@chimakinakoron)は、救出された猫たちのうち24匹を預かり、てんやわんやの毎日を過ごしていました。トライアルが決まっても戻された子もいましたし、病気で入院した猫もいました。
さわらメモリアルパークの支援
ちまきなころんさんとともに、さわらメモリアルパークも里親探しを手伝い、真っ先に3匹の猫を預かりました。そのうちの1匹は片目が見えない猫で、今もさわらメモリアルパークで保護されています。
「この猫たちをさわらメモリアルパークさんが選んだ理由は、太っていて運動神経が悪く、逃げずに捕まりやすかったからです(笑)」(ちまきなころんさん)
哲くんと琴ちゃんの新しい家族はシニア
残り2匹のうち、琴ちゃんという猫は早々にシニアの里親の元に引き取られました。そして2024年7月、ついに最後の1匹である哲くんの里親が決まりました。里親夫妻は60代ですが、哲くんを迎えたことを新聞に投稿してくれ、その切り抜きを大切に保管するような温かい家庭です。
年齢条件について
ちまきなころんさんは高齢者に子猫を譲渡することはしませんが、年齢条件を前提に譲渡していません。時には後見人すら60代ということもあります。「60代は譲渡不適合はナンセンスだと思っています」と話しています。
「一般的にはお断りされがちな60代ですが、実際には元気で時間にもお金にも余裕がある方も多いです。逆に50代でも不安な方もいますし、フルタイム勤務に子育てや孫の世話で時間がない方もいます」
ちまきなころんさんは、年齢だけでなく、個々の状況をしっかりと見極めながら譲渡を行っています。
「いまだにお膝にも乗らないし、ゴロゴロも言わない哲くんを選んでくれて有難うという気持ちでいっぱいです」
哲くんが新しい家族と幸せに過ごせることを願い、ちまきなころんさんたちはこれからも猫たちのために尽力していきます。