崎陽軒シウマイ弁当「あなたの食べ方は?」先代社長は「縦置きご飯手前型」で22手、現社長は「横置きご飯右型」で44手

ゆきほ ゆきほ

横浜名物「崎陽軒シウマイ弁当」。安定の美味しさから駅弁の定番となり愛されています。名物シウマイ弁当を食べる時に悩むのが、アンズを食べるタイミング。

はたして正解はあるのでしょうか?「シウマイ弁当」の白飯、おかずを食べる順番を図表と解説入りで紹介する「食べ方図説 崎陽軒シウマイ弁当編」を発行する食べ方学会会長市島晃生さんに話を聞きました。

――シウマイ弁当について。

市島:ご飯が8俵にシウマイが5個しかないという不均衡にゲーム性があると考えています。足りない3俵をシウマイ以外のおかずで、どう割り振るか。何手で詰めるか。詰将棋のような弁当だと考えています。

――アンズ問題に答えはありますか。

市島:普通にデザートとして食べる。これが一番多いですね。苦手な方は最初に食べてなかったものとする。唐揚げと一緒に食べるというのもあります。酢豚のパイナップルや生ハムメロンのイメージで美味しいんです。最近は崎陽軒さんもオススメしていらしゃるそうです。

――おすすめの食べ方は?

市島:まず思うがまま食べて、「ああ、ご飯とおかずをバランスよく食べられなかったな」など傾向を探っていくのがおすすめです。僕は、シウマイから食べ始めシウマイで終わり、アンズで締める、というのはひとつの王道ルートだと思っています。

――玄人的食べ方はありますか?

市島:崎陽軒の社長や従業員の方は、ご飯から食べるんです。ちゃんと美味しく炊けてるか確認するためだそうで、シウマイで始まりシウマイで終わる!なんて言ってた僕が素人で恥ずかしくなりました(笑)。あと、シウマイにかけたしょう油が他のおかずに付く「しょう油流出問題」があるのですが、崎陽軒三代目社長は、シウマイの上にカラシでドーナツ状の小さな堤防を作り、その中にしょう油を入れることで解決されています。

――意外性のある食べ方は?

市島:日本料理店「傳」の料理長、長谷川さんの食べ方はかっこよかったです。シウマイ弁当は元々幕の内弁当で、中華弁当ではないんです。長谷川さんは、前半は中華のお弁当として食べて、後半を和食のお弁当として食べる。だから前半は「大丈夫か?」と思うほどシウマイをバクバク食べちゃうんですよ!

――AIやゲノム解析で見えてきたことはありますか。

市島:慶応義塾大学の鈴木隆一先生に協力していただき、味覚センサー「レオ」を使用して、ご飯・おかずの全部の組み合わせを、4巻、5巻通して調査しました。これで、相性を点数化し、高得点だけを辿るルートを解明しました。

意外だったのは、しょう油も辛子も付けないシウマイと、筍煮の組み合わせが高得点だったこと。人間には考えられない贅沢さですよね。間にご飯を食べたくなる。シウマイはしょう油をつけなければ筍と合い、つければご飯と合う。今までの「しょう油と辛子を付けるか議論」が不毛であったことが証明されました。

◇ ◇

「食べ方図説 崎陽軒シウマイ弁当編」は現在5巻まで発行。インタビューでお聞きしたこと以外にも、崎陽軒三代目社長(先代)は「縦置きご飯手前型」で22手、四代目社長は「横置きご飯右型」で44手で食べ終わることなどが紹介されています。

図説について崎陽軒は「シウマイ弁当の食べ方に特化してここまで掘り下げていただけて、ありがたく思います。シウマイ弁当の食べ方にルールはございません。ご自身のルールでも、その日の気分でも、思うがままに召し上がってください」とのことです。

▽食べ方学会リンクまとめ
https://lit.link/tabekatagakkai
▽崎陽軒公式HP
https://kiyoken.com/

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