一戸建てに住んだら、ガーデニングを楽しみたい!という方が増えています。最近では、品種改良により季節を問わず楽しめる草花が手軽に入手できたり、インターネットで育て方を簡単に調べられるようになったりして、初心者でも庭づくりを楽しめる環境が整ってきました。しかし、ガーデニングが「簡単」なことばかりではないのも事実です。
Aさん(関東在住、40代、主婦)は、長年憧れていた「イングリッシュガーデン」のある家を目指したものの、途中で心折れてしまいました。
家族から大反対された「オープンガーデン」
Aさんが購入した中古の一戸建てを選んだ決め手は、日当たりがよく車が4台は停められそうな広い庭でした。昔からの住宅地のため、周辺のお宅も比較的お庭が広めで植栽も多く、「戸建てに引っ越したら絶対にガーデニングをしよう!」と心に決めていたAさんにとって、魅力的な物件でした。
ところが、実際に庭づくりをはじめてみると大変なことが続出してしまいました。
まずは家族の同意。Aさんは「将来はオープンガーデンに参加して、地域の人に庭を見てもらえるレベルを目指したい!」と考えていましたが、家族から「自宅の庭に知らない人が入るなんてありえない!」と大反対されました。リビングから庭が見えないように仕切りをつくることが条件とされ、家の中から庭を楽しむ計画は頓挫しました。
初心者にはハードルが高かった、バラの地植え&アーチ
気を取り直したAさん、さっそくイングリッシュガーデンには欠かせない「バラ」からチャレンジすることに。
インターネットで植え付けしやすいと紹介されていた「大苗」と、近所の大型ホームセンターで可愛い装飾が施されたアーチを購入しました。しかし、いざ庭を掘り返してみると、30cm程度掘った程度でこぶし大の石が次々に出てきました。これらを取り除く作業だけでAさんは疲れ果ててしまいました。
それでも何とか土を入れ替え、買ってきた苗を植えてみたものの、思い描いていた「素敵なイングリッシュガーデン」にはまだまだほど遠い状態。Aさんのやる気は少しずつ下がり始めます…。
夏の暑さに根をあげて放置…害虫も発生
それでも春はプランターに買ってきた寄せ植えを移し替えたり、可愛いポットやシャベル、収納アイテムなどを購入して楽しんでいたAさん。しかし、引っ越しして初めての夏を迎えると、バラよりも雑草の繁殖スピードが速すぎて、庭での作業のほとんどが草むしりで終ってしまうことに直面しました。日当たりが良すぎて、思っていたよりも水やりもしなければならないのですが、熱中症で倒れそうな暑さに根をあげてしまったAさん。だんだん庭に出る回数も時間も少なくなってしまいました。
そんなAさんのところに、ご近所だという年配の男性が訪ねてきました。
「お宅のバラ、道路から見させてもらったけれど、近くで見なくてもわかるくらい、害虫にやられているよ。このままだと確実に枯れるし、枯れたらそこに集まってた害虫がよそに行って迷惑かける。今のうちに撤去するか、きちんを手入れをしなさい!」と怒られてしまったそうです。
「確かにおっしゃる通りなので、何も反論できません…。家族からは『やっぱりお母さんには無理だと思った』『一度始めたことは最後まで取り組みなさい、なんてもう言わないでよね』と散々でした」とAさん。
憧れの素敵なお庭には、見えないところで大変な手間がかかっているもの。オープンガーデンにお邪魔するときは敬意を持って拝見しましょう!