「きゃーーっ!」
信号のない横断歩道を、ベビーカーを押して渡る歩行者。停車中の自動車の横をすり抜け、猛スピードで突進してきた自転車が、歩行者とベビーカーに激突!大きな悲鳴があがるなか、ベビーカーにぶつかった自転車は横転。その衝撃で赤ちゃんが道路に投げ出されるというショッキングな様子に、動揺の声が周囲に響き渡りました…。
そんな衝撃的な動画をX(旧Twitter)に投稿したのは、長崎県警察の公式Xアカウント(@NPP_kikaku)。投稿された動画は、長崎県「諫早警察署」の協力のもと、二輪車による交通事故の恐ろしさを啓発するため、小学校の校庭で行われた「交通安全」のデモンストレーションの様子でした。
警察庁の発表によると、全交通事故のなかで自転車関連の事故が占める比率は、近年増加傾向にあるそうです。長崎県諫早市でも自転車を含む二輪車の事故は多く、その危険性を認識してもらうため、諫早警察署と九州のスタント専門会社の協力のもと、交通安全イベントが開催されました。
自転車も「信号のない横断歩道」では徐行&確認、歩行者がいれば必ず停車
諫早警察署の広報担当の方に話を聞いたところ、とくに自転車が横断歩道でベビーカーに激突する事故の再現場面では、悲鳴と動揺の声が校庭に響き渡るほど、見学していた生徒や先生方もかなり驚いていたそうです。
「バイクは当然のこと、自転車も『車両等』に該当します。なので、これらの車両が信号機のない横断歩道を通行する際には、『横断歩道を渡ろうとしている、またはすでに渡り始めている横断歩行者』がいる時や、『横断歩道の手前直前に停止している車両』がある時は、横断歩道の手前で停止した上で、歩行者を先に横断させなければなりません。また、横断歩道の手前直前に停止している車両がある時は、現に横断する歩行者がいない場合でも、その側方を一時停止することなく進行すると、交通違反としての検挙対象になるため、注意が必要です」(長崎県諫早警察署・広報担当)
諫早警察署は今回、自転車がベビーカーに激突するショッキングな事故の他にも、歩行者をなぎ倒す勢いで歩道を暴走する自転車が、曲がり角でも停止せずに走行し、待機中の自動車に自らぶつかる事故、また、左折する大型車によるバイクの巻き込み事故など、いずれも二輪車に多い事故を想定した再現動画をXに投稿。どの動画も非常にリアルで衝撃的なものでした。
大型車の巻き込み事故に注意!二輪車も「大型車は死角が多い」と自覚して
「二輪車による交通事故を防ぐため、自転車も必ず信号に従い、信号がない横断歩道でも、横断しようとする歩行者等がいれば必ず止まること。また、大型車は内輪差があるため、左折の際は徐行し、サイドミラーと目視でしっかりと確認して、二輪車を巻き込まないよう十分に気をつける必要があります。また二輪車の運転手も、”死角が多い大型車から自分は見えてないかもしれない…”ということを自覚して走行していただきたいです」(長崎県諫早警察署・広報担当)
横断歩道は、歩行者優先であり、運転者には横断歩道手前での減速義務や停止義務があります(道路交通法第38条)。軽車両である自転車もこれに違反した場合、「横断歩行者等妨害等違反」となります。
悲惨な交通事故を防ぐため、自動車や二輪車はもちろん、歩行者側も十分な注意と交通ルールの認知と厳守が大切です。子どもたちの命と安全を守るため、各家庭でも交通ルールについてしっかりと話し合うことが重要かもしれません。
◼︎見事な事故再現を披露した総合スタント専門会社「(株)アッシュネクストプロモーション」