百貨店のレトロ自販機「現役です」およそ四半世紀も活躍 お客は「必要なマシン」「懐かしい」…実際の売れ行きは? 今も生産されている?

谷町 邦子 谷町 邦子

デパートやショッピングセンターなどに設置されていたショッピングバッグの自動販売機。「これ覚えてる人 流石に居ない」との声に、宮城県仙台市の藤崎(仙台藤崎百貨店)公式アカウント(@fujisaki_dept)が「覚えているどころか・・・あります。現役です」と名乗り上げて話題に。はたして、気になる売れ行きやいかに?

自販機が3台並ぶ同百貨店の写真には、「うわぁ懐かしい」「取り出す時なんかワクワクするやつー」「これ子供の時、なんか憧れた。デパートっぽい感があるのよね」など思い出が多く寄せられました。

また、「コレ、助かるのよね。ちょうど良いサイズで、贈り物を運ぶにも渡すにも柄が良くて」「袋はちゃんとお金出して買う。百貨店の自販機で売られているこの種の袋は丈夫で何度も使えるし、今考えたらエコですよね」「マイバッグの今、必要なマシンかもしれませんね」と再評価するコメントも。

自動販売機が置かれたのは一体いつからなのか、これほど長く設置し続けた理由は何なのか。百貨店を運営する株式会社藤崎の担当者に聞くと同時に、現在も紙袋自動販売機を作り続けるメーカーにも現状を聞きました。

自動販売機での紙袋&エコバッグ、その売れ行きは?

藤崎の「袋自動販売機」は、本館の大町側玄関内で3台稼働。設置時期に関しては、「過去の資料を確認したのですが、購入時期の正確な年月日が不明でした」とのことですが、おおよそ25年から28年前だと言います。

およそ四半世紀にわたって活躍し続ける理由について、「(右端のショッピングバッグは)しっかりした作りと、藤崎のロゴがシンプルに入っているためか、お客様から定評をいただいています。(左端、中央の)エコバッグも、古くなったら買い替えたりされる方もいることから、販売数に大きな変化はないものの、一定の”ファン”がいらっしゃると思われます」。

ただ、この「袋自動販売機」のメーカーは、同機器の販売を終了。「機械に不具合が生じたら、修理不可能なため、販売を休止しなければなりません」と、昔ながらの姿が失われる恐れがあるのです。

「『求め続けられている』との認識は…」

今回のように“懐かしの”機械として注目を集めたショッピングバッグの自動販売機に関して、メーカー側は売れ行きの変化を感じているのでしょうか。現在も製造・販売する会社のひとつ、株式会社ピープルの代表、大川さんに聞きました。

ショッピングバッグ自販機の販売を始めたのは約20年前で、当時は他社が製造した機器を販売。同機器が製造中止となったため、約10年前から自社製品の製造・販売を開始し、デザインや仕様はほとんど変わってないそうです。

売れ行きの変化については「当初よりさほど売れていないため、変動は感じておりません。レジ袋の有料化のタイミングについても特段の影響はなかったとの認識です」と大川さん。

需要の実感については、「当初よりさほど売れていないため、『求め続けられている』との認識は正直ございません」と答え、時代には左右されずに粛々と製造・販売を続ける様子が伝わってきました。

◇ ◇

「仙台藤崎百貨店」で設置していた自販機は販売中止となってしまいましたが、変わらず継続する企業も。マイバッグを使うことが習慣化した今こそ、そのシンプルな魅力が再注目される可能性もありそうですね。

藤崎は文政2年(1819年)創業の、仙台市青葉区に本店がある老舗の百貨店。本店のほかフードマーケットフジサキ(泉区)、宮城県中心に東北一円に17店舗展開しています。

そして、株式会社ピープル(本社:神奈川県横浜市)は、さまざまな自動販売機の製造や販売、開発、輸出入などを展開。「弊社ホームページをご覧いただき、もしご興味ありましたらお問い合わせいただけますと幸いです」と、新たに設置を検討される場合はご連絡を。

■藤崎の公式Xアカウント(@fujisaki_dept) https://x.com/fujisaki_dept
■藤崎の公式Instagramアカウント(fujisaki_dept)https://www.instagram.com/fujisaki_dept
■藤崎-FUJISAKI- 仙台・百貨店公式ホームページ https://www.fujisaki.co.jp/ 
■株式会社ピープル 公式ホームページ https://jidouhanbaiki.co.jp/index.html

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