企業が賃上げを行う一方で、物価上昇や円安などが生活者に大きな影響を与えています。マーケティング・リサーチ会社の株式会社クロス・マーケティング(東京都新宿区)が実施した「消費動向に関する定点調査(2024年5月)」によると、今後1年間の景気の見通しについて、約2人に1人が「悪くなると思う」と回答しました。また、今後1年間の消費予測は「変わらない」が最多となりました。
調査は、全国の20~69歳の男女1200人を対象として、2024年5月にインターネットで実施されました。
2024年5月の生活実態に関するDI値(内閣府が毎月公表する景気動向指数のひとつ)をみると、「給与所得」は4.1で、前年同期より7.6ptの増加、そのほか、「預貯金」は-6.7(前年同期比5.5pt増)、「おこづかい」は-13.4(同3.4pt増)となりました。
また、消費動向に関するDI値では、電気・ガス価格激変緩和対策事業の補助金制度もあり、「電気料金の支払金額」は29.9(同20.6pt減)となりました。そのほか、「クラウドファンディングの支援回数」は-14.1(同11.3pt減)、「ふるさと納税の回数」は-5.8(同8.6pt減)など、いずれも過去最低を記録しています。
さらに、「映画館」(-12.5)、「レンタルDVD」(-25.8)、「レンタルCD」(-23.1)の利用頻度や「低カロリー・ダイエット食品の購入頻度」(-1.2)は前年同期より7~11pt減少するなど、前年同期比でマイナス傾向の指標が目立ち、上昇したものは見受けられませんでした。
次に、「今後1年間の景気の見通し」について調べたところ、「悪くなると思う」と答えた人が52%で過半数を占めた一方で、「良くなると思う」と答えた人はわずか7%でした。
また、「今後1年間における自分自身の消費予測」については、「変わらない」(54%)で最多となったほか、「増えると思う」(26%)は前年同期比4pt増、「減ると思う」(21%)は前年同期比2pt減となりました。