高齢男性「増えてしまった猫を、海に捨てに行く」→は?唖然…すぐに保護「猫神様が見ていてくださった!」

渡辺 陽 渡辺 陽

2023年6月、愛護団体NPO法人ねこけん(東京都練馬区 以下、ねこけん)本部に、愛媛県の「愛ラブCAT」の代表Yさんから連絡が入った。半分泣きそうな声だった。

「こんな子たちを海に捨てるっていうんです・・・」と。

送られて来た写真には、大人の猫だけでなく子猫も混ざっていた。

「高齢の男性が、『増えてしまった猫を、今から海に捨てに行く』と言うので、近隣の方が慌ててYさんに連絡してきたそうです。駆けつけて話を聞くと、何のためらいもなく捨てると言われて唖然としたと」

そもそもなぜ不妊去勢手術もせず、猫を増やしてしまったのか。Yさんは、助けられるものなら助けたいと思ったが、受け入れる余地がなかった。

「シェルターはもちろんいっぱいでしたし、お世話をするメンバーも仕事をしながらの活動で、預かれる限界頭数がすでにオーバーしていました。経費も時間的余裕も全くなくて困惑しました」

愛媛県では、他にも「保護してください。無理なら保健所へ連れていくしかありません」という相談が相次いでいて、愛ラブCATでは、既に限界を超えて保護していた。

「それでも、海に捨てられるという猫たちを見なかったことにはできません。高齢の男性も本当は海になんて捨てるなんてしたくないでしょう。まさか、本当に捨てはしないと思うものの確証はありません」

猫神様は見ていた

 

結果的に、更に無理を重ねるしか解決の糸口が見つからず、Yさんは、「うちで保護します!」と言った。

 

すぐに猫たちを捕獲して、必死で預かり先を探したYさん。

「なんと猫神様は見ていてくださったのでしょう!預かりさんが見つかりました!初期処置を済ませ、すぐに猫たちを預かり先に移動させました。猫たちは急な環境の変化に戸惑っていました。もし断ったら、猫たちは冷たい海に放り込まれていたのでしょうか。考えるだけでも恐ろしい・・・」

ねこけんは、ひと月に2回も、愛媛県まで出向き出張不妊去勢手術を行っている。また、猫たちを引き取って里親も募集している。しかし、まだまだ助けを求めている猫たちがたくさんいる。ねこけん担当者は言う。

「猫を飼うのなら必ず不妊去勢手術をしてほしいと思います。手術をしていない猫が家の中と外を自由に出入りすると、必ず猫が増えていきます。猫が増えたら海や川に捨てるという人がいますが、飼いきれない猫を増やさないことが大事です」

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