「10年後お酒を飲みに行こうね」 小学生の私あての父の手紙 叶わなかった願い、改めて 「世界でいちばん大好き」

竹内 章 竹内 章

「本当の成人式まで後10年」「10年後パパとお酒を飲みに行こうね」「約束だぞ」。10歳の娘にあてた父からの手紙があります。願いは叶いませんでしたが、お父さんは娘さんの思い出の中にしっかりと存在します。2024年の父の日は6月16日。

「大掃除してたら亡くなった父からの手紙が出てきて号泣してる」とXユーザーの☆(@taanun28)さんが公開した写真。日付は2012年11月12日。「パパより」「今までの様に明るく元気で、お姉ちゃん達と仲良く、そしてもう少しだけ算数を頑張って」と自筆で書かれた手紙は、「約束だぞ」の言葉で締めくくられています。

きっと子煩悩なお父さんだったのでしょう。「お酒一緒に飲みたかったな」「酔ったら千の風になってをデカ声で歌ったり、厳しくてうるさくて嫌いな時もあったけど、世界でいちばん大好きな気がする」と投稿した☆さんに聞きました。

ほこりをかぶったノートの中に

ーー手紙はどこにあったのですか。

「机の引き出しの奥から出てきました。亡くなった父に話したいことを綴るノートを作っていたのですが、他界してから随分経っているのでノートはほこりをかぶった状態で、手紙はその中に挟んでありました」

ーー手紙の2012年当時、お父さんはどんな存在でしたか。

「私は当時小4かな。反抗期にはまだ早い時期でしたが、門限を守らず帰っては説教されたり、休みの日は科学館に連れて行ってくれたり、公園でキャッチボールをしたり仲良しだったと思います。厳しい人でしたが、三姉妹の末っ子の私は父から甘やかされていたと思います」

ーー思い出が尽きないですね。

「頭が良くて人脈も広く、太陽みたいな父親でした。いい記憶ばかりが頭を過りますが、だんだんお酒に浸かる日々に体を壊していく様子を見ていたことも事実です」

☆さんが15歳のころ、お父さんは他界。生前はこの手紙やお酒を飲む約束のことを口にすることはありませんでした。

久しぶりにお父さんの肉筆を目にして「この手紙は10歳の時にもらって読んだ記憶があります。その時は算数を頑張ってって書かなくてもいいじゃんとか思ってましたが、10年以上経った今読むと、当時とはまた違った愛情を感じました。ただ優しくてかっこいいだけの父親じゃなかった分、あらためてこの手紙を読んだ時すごく心に染みるものがありました」と話しています。

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