大ジャンプ連発で観客を沸かせる大阪・天王寺動物園のホッキョクグマが大人気です。高さのある縦ジャンプ後に後ろ脚で着水するスタイルはおそらくオリジナル。持ちネタは途切れることなく、観覧する人間からは歓声と悲鳴が交錯しています。迷いのない弾けっぷりでSNS上でも大人気ですが、この愛らしくも不思議な行動は何故? 一体何を目指している? 担当飼育員の油家さんに聞いてみました。
3歳のメス、ホウちゃん。豚まんやアイスキャンディなどでお馴染みの「551蓬莱」が大阪市に寄贈したオスのゴーゴ、メスのイッちゃんとの間に2020年11月誕生。次の繁殖のため2頭は横浜市の動物園へ移動し、ホウちゃんは2022年暮れに独り立ちしました。
ー豪快すぎます
「そうですね…。壁にぶつかったこと? ありますあります。分かってやってますね。腹打ちする飛び込みもわざとやと思います。反応を楽しんでますね。歓声が上がる、みんなが注目する、喜んでる、と学習してます」
ー一番びっくりした行動は?
「水替えでプールの水位が低いのに普通に飛び込んで前脚を痛めたことです。『浅い時は飛び込んだらあかんねや』と学んだと思います。でも、やってますね。いくら何でもお転婆が過ぎます」
―過去イチ笑ったのは?
「まだ小さい時、水は入れてなかったですがプールから上がれなくなって、母親に首根っこをくわえられて引き上げられた姿です。『今わたし動いたらあかんねんな』と分かってるみたいな顔して、あれは笑えました」
ーエサを取る仕掛けは結構難しそうです
「黄色いガス管の上にエサ入りのポリタンクを載せて、横にひっかけた枝を動かせばポリタンクが落ちます。母親のイッちゃんがやっているのを見て、気づいて、できるようになったと思います」
「父親のゴーゴはおもちゃを道具として使えました。これはホッキョクグマとしてものすごいことでした」と油家さん。「動物園のクマはどうしても常同行動が出てしまうのですが、できるだけそうならないようにエサのやり方を工夫し、様子を見ておもちゃを与えたりしています」と話します。
ホウちゃんは牛肉、鶏肉、アジや野菜など毎日10kg近くを食べ、体重は推定200kg前後。
「性格は天真爛漫」と油家さん。「展示場は高低差があるので、飛び込みは豪快になります。『もうやめといて~』と思いますけど、活発に過ごしてもらえるよう工夫しているのはこっちなんでね…」と苦笑しています。
◇担当飼育員さんが過去イチ笑った場面はこちら
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