大阪名物「551」ことホッキョクグマ夫婦ゴーゴとイッちゃんが新天地横浜へ… 「ない時~」OKした寄贈企業と動物園の決断の理由

茶良野 くま子 茶良野 くま子

大阪名物「551」が横浜で熱々をお届け—!!

「551HORAI」のロゴでお馴染み、株式会社蓬莱が寄贈したホッキョクグマのゴーゴ(18歳オス)とイッちゃん(9歳メス)が、大阪・天王寺動物園から横浜市の「よこはま動物園ズーラシア」に場所を変え、次の繁殖へと熱々です。

2頭の間には2020年11月に天王寺動物園でメスのホウちゃんが誕生。2021年3月、ゴーゴがズーラシアへ。天王寺では母と子が一緒に遊んだり、時に揉めたりする姿が大人気でしたが、親離れの時期を迎えた2022年12月、イッちゃんもズーラシアへ。大阪は「551」不在となったのです。蓬莱からのせっかくのプレゼントなのに、なぜ?

贈り主である蓬莱の広報担当、八田さんに聞きました。

—「551」が横浜へ

「寂しい気持ちはもちろんありますが、それ以上にゴーゴとイッちゃんが再会できたこと、娘のホウちゃんが天王寺で関西を盛り上げてくれていることが嬉しいです」

—イッちゃんの移動を聞いたときは?

 「再会のためにそんな方法があるんや!と驚きが大きかったです」

—早速、熱々なようで

「動物園さんのSNSなどで見させていただいております。お互いのことを覚えてくれていたのか、仲良くしている姿がとても嬉しいです!」

 

—赤ちゃんが生まれたら名前がどうなるか気になるのですが

「まずはライちゃん、その次は…“?”ですね。 豚まんから取って『ブタちゃん』とか? 双子や三つ子の名前を、となったらそれはもう幸せすぎる悩みですね!」

 ―これを機に西の蓬莱さんが東へ進出、なんてことは?

「いえいえ、『551』はあいかわらず関西に『ある時!』で。受け入れて下さった横浜の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです」

ズーラシアは公式ブログなどで、早々と新しい環境に慣れたイッちゃんの様子、そして久々の再会ながら2頭が熱く盛り上がったことを報告。その姿を一目見たいと連日多くのファンが訪れていますが、「状況によっては急きょ展示休止になることもあります」と呼び掛けており、実際、朝になって展示休止が発表されたことも。

2頭を送り出した天王寺動物園の向井園長は「ホッキョクグマの種別管理計画に基づく移動で、日本国内での個体数を増やすのが喫緊の課題です。本来ならホウちゃんが移動し、ゴーゴが戻って次の繁殖を目指すところですが、成功したらまたゴーゴが移動する必要があり、その負担を考慮しました」と教えてくれました。

同園では新ホッキョクグマ舎計画が進んでおり、関西大阪万博が開催される2025年に完成予定。その時の主は誰なのか気になるところですが、向井園長は「それは何とも言えないところで…。新施設は雄雌を別飼いできる構造になっており、子育て期にも雄を移動させる必要がありません」と説明。「当園は『国際社会に貢献し、世界に誇れる動物園』を目指しています。希少野生動物であるホッキョクグマの保全繁殖に貢献していきたいと思っています」と意欲を見せます。

寄贈したゴーゴ、イッちゃんの「いない時」を受け入れてくれたことで、日本のホッキョクグマ界の未来に希望が…! 蓬莱の八田さんは「それはもう恐れ多いです。そのように言うていただいて嬉しいですけど、これからもゴーゴとイッちゃん、ホウちゃんが元気に暮らしていけるように、応援よろしくお願いいたします」と話しています。

2020年3月のゴーゴとイッちゃんの様子はこちら。

“絶滅危惧”に光を…天王寺動物園のホッキョクグマが熱愛中、アイスキャンデーで有名な大阪の会社が寄贈

<記事中の画像は、よこはま動物園ズーラシア、地方独立行政法人天王寺動物園にて2023年2月に撮影、両園の許可を得て掲載しています> 

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