道路をさまよっていた犬
スピンズちゃん(5歳・メス)は、1匹で広島県内の道路を放浪していたところを通りかかった人に保護された。太っていて、人慣れもしていたので、飼い犬だったのかもしれない。保健所に収容された後、ピースワンコジャパン神石高原のシェルターに来て、里親を探すためあきる野譲渡センターに移動した。
東京都在住のKさんは、子供の頃から動物が大好きだった。アレルギーのため飼えなかったが、大人なってから再度アレルギー検査をしたところ、犬アレルギーだけ治っていたので、社会人になって飼えるようになったら迎えようと決めていた。
「別の子を見に行こうとしていましたが、その子は見に行く前に里親さんが決まったので、また探し直そうと思っていました。その矢先、保護団体の方から『近々雑種犬にしたら小さめの女の子が来ますが会ってみませんか』と声をかけていただき、会いに行きました。2021年1月5日のことでした。」
ムチムチボディ、それもご縁
Kさんは、エレベーターのないマンションの4階に住んでいたので小さめの子を探していた。しかし、当時、スピンズちゃんは10.1kgのムチムチボディ。小型犬と中型犬の間くらいの大きさだった。
「大きさは、『これも縁かな』と思いました。人懐っこいというわけではなく、挨拶もしようとせず、ずっと出口をみて不安そうに緊張していました。おやつは食べてくれたけど、恐る恐る食べて逃げていく感じでした。背後からの接近にも非常に敏感でした。」
Kさんは、会いに行ったその日にスピンズちゃんを迎えると決めた。
いつも癒してくれる
1月16日、スピンズちゃんを連れてきてもらうと、部屋の中を一通りうろうろした後すぐに横たわって寝てしまった。
「初めて来たところなのにキモが据わっている子だなあと感心したのを覚えています。とても疲れていたのかもしれません。名前は、保護団体が保護した時につけてくれた名前をそのまま貰いました。初めて会った時から既に『スピンズ』と呼べば反応はしていたので、あまり変えたくありませんでした。」
スピンズちゃんは、好奇心旺盛だが慎重派。知らない人が手を伸ばしてきたら、興味を持って匂いを嗅ぐが、そのまま撫でようとすると逃げていく。好きなことはドッグランで1人で走り回ることと、お尻をガシガシ触られることだ。
「スピンズを迎えてから常に癒されていて、日常のストレスが軽減されたように感じます。仕事で疲れて帰ってもスピンズが待ってくれている、夫婦喧嘩をしてもスピンズはいつもと変わらずにいてくれるなど、これは犬に限らずペットをお迎えすることの大きなメリットだと思います。」